労使トラブルのQ&A

裁量労働だとか、成果主義の導入とかで働き方が変わっているにも関わらず、上司(の上司)あたりは年功序列世代で労組マインドをひきずっているのでどうしても働く態度にズレが生じてきますね。

そういった部分の折り合いが付けばいいんだけど、つかなかった場合感情的な摩擦が起きるが、ポイントを知っていれば強く出ていいのか悔い改めなければいけないのかサッと判断できてよろしいかと。

ProductName 労使トラブルを解決するならこの1冊 (はじめの一歩)
河野 順一
自由国民社 / 1785円 ( 2011-03-18 )


  • 自宅謹慎中の給料はでる
  • 着替えが仕事に入るのかどうかはたまに出ますよね。
  • 会社が時季変更権を行使できるのは、恒常的な人手不足を解消しようという努力前提。
  • 退職時にまとめて休暇を取る場合は時季変更権を行使できない。
  • 雇い入れ時に勝手な職種転換は原則できない
  • 求人広告の額より安い給料で採用されるのはあり
  • 異様に長い試用期間は無効で、試用期間中でも14日を経過すると解雇予告制度が適用
  • 修飾の際戸籍謄本の提出を拒んで良い(住民票記載事項証明書で済ますのは可)
  • 期間を定めた労働契約は原則3年
  • リストラ対象者をくじびきで決めるのはだめ
  • 労働組合めんどくさい

振り返ってみて今の35歳位の人のキャリアで割と成功したかなーっていう事例集

自分が振り返ってみるに、こうすべきだったよなぁと思うことはあるが、今は環境が大きく変わっているし、今の20代のヒトがこれ読んでも教科書的な指針にはならないんじゃないかなぁと思った。

大きい会社に入ったら、時間を売るような仕事とか誰でもできるような仕事を避けるってのは正しい戦略だと思う。やりたくない仕事をしないという態度は別にデメリットにならないと思う。なぜなら、どっちにしろ年功序列的な出世なんて見込めないんだから。

  • 努力しても並にしかなれない分野に無駄な時間を使わない
  • 目標達成/目標達成能力バランスを考える
  • 弱い紐帯論

ProductName 7割は課長にさえなれません (PHP新書)
城 繁幸
PHP研究所 / 735円 ( 2010-01-16 )


ProductName 7つの習慣―成功には原則があった!
スティーブン・R. コヴィー
キングベアー出版 / 2039円 ( 1996-12 )


お金を増やす仕事は時間を売る仕事が多い

ブログ見て「おっ!」と思ってポチしたけど、結局時間を売っているだけだった。

仕組みをどうするかっていうのは数パターンしかなかったかな。

アロメトリーによるアニマルスケールアップとPBPK

先日の会議で、肝ミクロソームのクリアランスに顕著な種差が認められるコンパウンドなのに、「アニマルスケールアップでヒト予測」と宣ったいい年の現職がいたので、

「おまえはアホか?黙ってPBPKやっとけ」

を5重のオブラートで丁寧に包んで話しておいたけど、「なにげに専門だろ?10年以上この仕事やってんだろ?」という想定外の事象だったためなのか、5重の壁など何も役に立たなかった。相手の専門性を信頼し過ぎても駄目だということで。

会議に同席していたケミストのヒト達はピンとこなかったみたいですが、DMPKの基本的なところはきちんとおさえて、自分たちがどういう情報をフィードバックして欲しいかをきちんとコントロール出来ないといけませんね。最終的に自分達に跳ね返ってくるので気をつけたほうがよいですね。

研究でも、ウソをウソと見抜く力は養っておかないといけない。そのためには必要最低限の知識を持つか、信頼できるチャネルを確立しておく必要がありますね。

「しょうもない解釈したり、いい加減な実験スキームくんだらチームの専門外の要員から厳しく突っ込まれる」

そういった緊張感を持っていないとお互い堕落しますね。

ProductName ADMET for Medicinal Chemists: A Practical Guide

Wiley / 11060円 ( 2011-03-01 )


フリーライダーってのは仕事に対する認識の違いってのが大きいのかも

4月からチームごと異動になってる。異動先はまぁルーチンワークに全力投球的な部署ですね。保守メインだから仕方ないんだろうけど。意図というのはまぁ薄々感じていて、要するに我々が染まるのか、我々に染めるのかという駆け引きが行われる感満載なわけだけど、実際疲れるからイヤなんだよなぁ。一掃してつくり直すというオプションが存在しないってのは問題だと思っている。年功序列でところてん方式で押し出されたのを押し戻すと組合がうるさいからどうしようもないんだろうなぁ。って、僕らの世代にそういう処理も押し付けても困るわけですが、まぁそういう世代なんだろうなぁと思っている。

本書はちょうど僕らが抱えているそういうジレンマを含んだ給料格差をフリーライダーという観点から分類して分かりやすく説明して、暗黒面に染まらない、またはうまく避けるポイントを提示している。

経験上、真のフリーライダーってのはたしかにいますね。ぱっと思いつくのはこういうヒトとか。

本書のフリーライダーの分類っていうのは積極的にフリーライドしようという人間と、認識の違いとかカルチャーの急激な変化により取り残されたヒトの区分けをあまり明確にしていないかなぁ。なんというか歴史的経緯によるフリーライダーってのは一定数いますよね。上司から与えられた仕事をこなすのが仕事だったはずなのに、気がついたらその仕事はいつからか企画型業務に分類されちゃって困った困ったという。とりあえずやれる範囲で一生懸命やってみよう的な。給料一緒だったら同情すんだけど、結局そういう人達高給なんだよね、本書でいうアガリ系ってやつか。

それからフリーライドに一生懸命な人間というのは意外に組合活動頑張るという側面に触れてないな。これ重要かも。とりあえず組合に前向きなやつとは目を合わすなというのは僕の生きる智慧ですね。結局、ああいうのに染まると研究者的な堕落しか待ってない。キャリアブルスキルが喪失しますね。成果主義とか取り入れていながら組合のベアとか年功序列とかああいうの一生懸命なやつのほうが積極的なフリーライダーだと思うんだよなぁ。

  • ただのり社員とは「自分は楽をしておいて、他人の努力や善意の恩恵に与っているヒト」
  • 現場のノルマや成果管理が厳しくて、現場から本部に異動した人にとって、本部がまるで休憩所のようになっているケース
  • 年功序列から成果主義にスイッチする過程で「無能な上司、有能な部下」という図式ができやすくなる
  • アガリ型フリーライダーが生息しやすい条件は「サボっていてもそれなりの処遇が手に入る」
  • 敗者復活の文化は重要
  • 挑戦奨励、挑戦礼讃
  • 成長努力を怠っている先輩、上司はフリーライダーにみられがち
  • 自分をベテランと思った瞬間から没落は始まる

本書を読んだからといって、モチベーションがあがるわけではないが、なんとなくモヤモヤするシチュエーションってのはフリーライダー絡みではけっこうあるので、そういう時にモヤモヤしないで、自分の心に折り合いをつけるためには読んでおくといいのかも。

デザインの骨格はドラッグデザイナーも読むべし的な超良書です

僕はドラッグデザインにはアートの要素が沢山含まれていて楽しい仕事だと思っているし、工業デザインの範疇に入ると考えている。

例えば

  • 技術者は常に性能向上を目指します。しかし新しい価値は、性能のいかんにかかわらず、はじめからその技術自体に遺伝子のように組み込まれているように思います

これは、スキャフォールドのポテンシャルは決まっていて、リードオプティマイゼーションってのはスキャフォールドをできるだけ磨いて薬剤としての美しさを引き出す行為とも捉えることができるし

  • 形を描こうとしてはいけない。構造を描くことによって自然に形が生まれる
  • 絵を描くことは、ものの輪郭を描くことではない。重要なのは向こう側にあって見えてないものや、中心軸のような仮想の線を描く事。そうやって立体や空間の構造を把握したときに迷いなく輪郭を決定することができる

これはファーマコフォアをきちんと認識することの重要性ともろかぶりする

ドラッグデザインを工業デザインとして捉えるヒトはあんまり知らないけど、ケミストやケモインフォマティストが本書を読めば新たな視点が開けると思う

ProductName デザインの骨格
山中俊治
日経BP社 / 1680円 ( 2011-01-29 )


  • 技術者は常に性能向上を目指します。しかし新しい価値は、性能のいかんにかかわらず、はじめからその技術自体に遺伝子のように組み込まれているように思います
  • 生物らしい形の典型は、螺旋と節
  • 携帯電話機の一番重要な機能は「私であることの証明」なんじゃないか
  • 形を描こうとしてはいけない。構造を描くことによって自然に形が生まれる
  • 絵を描くことは、ものの輪郭を描くことではない。重要なのは向こう側にあって見えてないものや、中心軸のような仮想の線を描く事。そうやって立体や空間の構造を把握したときに迷いなく輪郭を決定することができる
  • インボリュート曲線
  • 図面というのは、設計者と製作者をつなぐ言葉のような物

「パフォーマンス・マネジメント」を読んだ

どこかのブログで薦められていて面白そうだったので読んでみたが、非常に面白かった。 行動を強化する好子と弱化させる嫌子とで行動を解釈していく。嫌子つまり行動の弱化はモチベーションの強化とか動機付けにはプラスに働かないというのは経験的にもしっくりくる話だ。一方でしつけとか、(子供時代に養われると思う)ある種のストイックさとか自分への厳しさってのは好子では説明できないと思うんだよなぁ。ま、そういうあたりは置いといてある程度成熟したというか自我形成された大人と言われる人達は行動の弱化というのはあまり良い方法ではないなということは理解した。

p.92

組織がパフォーマンスの向上につながらない行動に価値をおく危険を「行動の罠」と呼んでいる

同じ成果を、100%全力出し切って達成するのと70%の力で達成するのは後者が評価されるべきなんだけど、前者を評価する傾向があるよね。みたいなことが具体例としてあげられていた。

p.94

パフォーマンスに依存して報酬を与えると内発的動機が弱まる

モチベーション3.0で時代遅れと書かれているが、本書では

行動分析学では内発的動機を、仕事の成果が好子となって仕事をするという行動を自動的に強化している状態と考える。つまり、パフォーマンスそのものが好子となればいい。

と書いてある。報酬与えると内発的動機が弱まるというのは報酬そのものが嫌子または行動を弱化させる方向にはたらくものなのであろうか?それとも報酬という刺激は常に増加させないと効果がないもので、増加がないという状況が嫌子になるんだろうかね?

p.145

「タバコをやめる」とか「夫婦ゲンカをしない」など、望ましくない行動を減らすのが目標の場合、その代わりに増やしたい行動についても目標を設定しておくと効果的である。

  • 行動随伴性(Antecedent, Behavior, Consequence)
  • すべての行動の原理は「〜する」という行動にあてはまり、「〜しない」という行動にはあてはまらない
  • パフォーマンスとは行動の成果である
  • 組織がパフォーマンスの向上につながらない行動に価値をおく危険を「行動の罠」と呼んでいる
  • パフォーマンスに依存して報酬を与えると内発的動機が弱まる
  • パフォーマンス・マネジメントでは知識も行動と考える

怒らないこともあわせて読んどくとよいかも

「実務で役立つ プロジェクトファシリテーション」を読んだ

たまにこういう本も読むといいな。

  • ファシリテーターは必ず肯定的なフィードバックを与えます
  • 発散技法であるブレストは問題点の発見には向いていても、解決方法を導くには適していない
  • 次回予告の内容は、日時、テーマ、次回までにメンバーがやっておくべきこと -質問は5W2H(How to, How much)
  • 自己の主張が全体に与える影響を考えてもらうことで主張の強度を客観的に判断する
  • 進捗報告を聴くだけだったら会議をひらく必要はない
  • 報告と相談は情報を発信するヒトが違う
  • 報告内容の確認は順調にいっていることを疑う質問として捉えられることがある
  • 質疑応答は直接的に理解度を知る手段

製薬企業とは何か

「どの層があれば新薬開発メーカーとしての製薬企業と言えるか?」を考えてみた

メガファーマがアウトソーシング色を強めているし、国内の企業はオープンイノベーションとか言ってるけど、まぁ似たようなもんですね。コンテクストを積極的に捨てていく立場をとるか、自分とこのコアを他のとこの強みと強調させてシナジーをだそうとするのかという話なだけでひかりの当て方が違うだけで目指すとこは同じなんじゃないかな。ただ、オープンイノベーションってのは自分とこのコアの認識が出来てないから要らない物を定義できてないのかなぁというネガティブな捉え方もできるよな(響きはいいけど具体的なイメージがしにくい)

ちょっとそんなことを考えるきっかけが与えられたので、自分の理解の範囲をメモっておく。

かなり前のエントリだけど最近の製薬アウトソースとレイオフ事情はそのまんま進んでいる感じがする。how_to_makerはコスト削減のために労働賃金を下げる方向に圧力を掛けるべきだし、whats_to_makerを優遇すべきでしょう。ま、実際に「何を作るか?」を考えられるケミストを(僕の定義の中では)メディシナルケミストと言うのだけど、僕の観測範囲ではメディシナルケミストはレアだと思いますね(あまりみたことない)。同様に真のケミスト(量子化学できたりするヒト)もバブル以前の世代ではあまり見かけたことないですね。

ちょっと前に元ケミスト(別のフィールドに移った)の同僚と雑談していて、その同僚が言うには「ケミストリーには確率論もあるからねー」というセレンディピティ的な要素を匂わせたので、「僕が経営者で確率論の立場に経つんだったら、人件費が何分の一かで済むような国のヒトを雇うか、国内のケミストをそういう国に移すね。そしたら、安くて質のよい労働力が得られるし、確率論信奉のケミストの理想に合致しててwin-winじゃんw」って言ったら黙ってしまった。もちろん現職のヒトに向かってそんなことは言わないが、単に作るだけでパフォーマンスの差がどんだけ出るか?それは為替のデメリットを補えるのか?ってのはよく考えたほうがいいと思うなぁ。あと、僕の信念は「セレンディピティはwhat's to makeを突き詰めた結果起こる偶然の必然だ」なので、適当に合成してけばなんか出るっていう立場に立ちたくない(パチンコじゃあるまいし)。

学問のフィールドつまり、創薬バックグラウンド的には新規ターゲット自体が減少しつつあるので、もっと工学的に患者さんのQOLをゴニョゴニョした薬剤を作り出せる力がコアになるのかなとも思う。つまりPK-PDをきちんとコントロールしながら合成戦略を考え出せる人材をどんだけ揃えるかというのが今後ポイントになってくるのかなと思っている。PK-PDとかTK-TDに強くてきちんとメディシナルケミストにフィードバック出来て、メディシナルケミストの方でもそっちに理解があれば、それなりに上手く行くんじゃないかなぁと。そういう成功例は見てみたい気がする。

というわけで、メガファーマのファブレス化に対してうまくいかないんじゃないのー?って疑問を呈すヒトは結構いるっぽいけど、上記のようにwhat's to make系のヒトさえ揃っていればチャレンジする意義はあるんじゃないのかなぁと思っている。失敗したとしても、業界的にはhow to makerばっかりで何も変わらないしというか労働力はあぶれてるしリスクはあまり無いんじゃないかなぁ。

ただし、今、存在するメディシナルケミストとか優秀な研究者ってのは従来の集約型の研究体制の泥臭い中から蓮の花のように花開いた人材であろうから、ファブレス化を志向すれば間違いなく人材は育たないだろうなぁと思う。もしアウトソース先からそういう人材が輩出されるようになれば、世代交代が起こるだろうけど、逆にそういうことがなくて人材の枯渇が懸念されれば、従来の研究スタイルへの揺り戻しは起こるんだろう。

結局、製薬企業として必要とされるのはマーケットインの力でしよう、新規ターゲット、新規リードは何かの原石にすぎなくて、それらをマーケットまで持っていく力はPK-PDとかそれをきちんと理解できて化合物に反映できるメディシナルケミストの存在に左右されるなのかなぁと。プロダクトアウトっていう立場はオープンイノベーション的には製薬企業が取捨選択する側、つまり外側の技術なんだろうなぁと思う。

ちょっと思うことがあったので駄文を残しておく感じで。

jsganttはヨサゲ

アーリーステージの創薬研究者は工程管理をしないというか甘いというか、まぁうちだけかもしれないですけど、そもそもプロジェクトマネジメント理論を学ぶ機会がないまま年功序列で押し出される感じでそういうステージに上がってしまうから仕方ないかなぁと思うんだけど、いまどきの20代、30代は普通に知っているし、なんとなく逆OJTの雰囲気を醸しだしつつも覚えてもらわないと全体の最適化に関わってくるからアレですよねー

という感じでまろやかにダークさを織り込んでみた。二年くらいおんなじこと言ってるけど何も変わらないのでそろそろどうにかしようかなぁと。

まぁ、MS-Projectで挫折したとか嫌いになったというのは言い訳として通用すると思う(というか僕も嫌いですアレ)のでウェブベース、そしてAjaxでオラクルあたりのDBとやりとりできるようなガントチャートの仕組みをサクっとつくれそうなものを探したらjsganntをみつけた。

jsgannt

FlaskでJSON返すようなのを作れば、自分のプロジェクトの合成予定がガントチャートになって表示されるので見える化には貢献するかなぁと。

とりあえずやってみようっと。