ファルマシアのトピックスに寄稿しました

お暇があれば是非手にとって頂けると嬉しいです。

僕のトピックスで触れたようなシステム構築のジョブがあれば教えてもらえるとさらに嬉しいです(そろそろチームで仕事をしたい…)

Model-based drug discovery

創薬は工学じゃないというところに浪漫を求めるか、不完全さを感じるかという点において僕は後者の立場です。

オープン・イノベーションだとかトランスレーショナルリサーチだとか色々言われるけど、結局将来的な製薬企業のコアはPKPDをおさえたリードオプティマイゼーションができるかどうかなんではなかろうかと思う。

HTSはコンテキストだけどFBDDのスクリーニングはコアだよなっていう話

HTSはアカデミアでもやるようになっているし、クオリティは抜きにしてもpubchemなんかにデータが収載されるようになってきてコモディティ化されてるし、一方でファーマは、HTSの昨日を子会社に移してるとこ多いし、HTSキャンペーン自体はコンテキスト化していますね。

そもそもHTSの目的は仮説の提示に過ぎない。いってしまえば宝くじを買うようなものだ

一方でFBDDのライブラリデザインとかスクリーニングを含めたリードジェネレーションのプロセスは、色々な技術とかノウハウが微妙な感じで組み合わさって、ヒットファインディング以上のクオリティのリードを生み出そうとするプロセスなので当分コアかな。

リンキングとか、複合体結晶構造の解釈とか能力の差が明らかに出るからね

硬い水、柔らかい水の理解は要るし、ΔGの深い洞察も必要だし、そうなってくると量子化学の背景も必須だ。

というようなことをpolarisを聴きながら考えていた。

そして、富士山は今日も白かった☆

ProductName きみはポラリス (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社 / 620円 ( 2011-02-26 )


ProductName Home
Polaris
PSC / 2749円 ( 2002-11-07 )


読み返すことで新たな発見のあるビジネス本

最近ビジネス本を読んでないしちょっと飽きた感じもするので、新刊は当分読むこともないかと。

ということで、ポストイット貼ってあったりブックオフに売らずに残っている中で役に立った本を選んでみました。 個人的には仕事と幸福、そして人生についてはお気に入りの本ですね。

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バッドデータハンドブック

データプリパレーションとかそっちの話題かなと思って読んだら、もっと幅広い話題を扱っていた。

バッドデータとは邪魔になるデータのことです

  • 泥臭い実務のためのアドバイス
  • 予期せぬ事をするデータ
  • アプローチ
  • データストレージとインフラ
  • データのビジネス面
  • データポリシー

について語られている

ProductName バッドデータハンドブック ―データにまつわる問題への19の処方箋
Q. Ethan McCallum
オライリージャパン / 2940円 ( 2013-09-26 )


有能なサイエンティストはデータを高速処理するためにそこにいるのではありません。理解を高めるためにそこにいるのです

そうだと思う

Business Model Generation Workbook

ビジネスモデル・ジェネレーションを噛み砕いた本(ちょうど一年前に読んだのか…)

最初の方の漫画の説明が全体を網羅していてわかりやすい。BMGは右側から埋めていく。

既存の枠組みをキャンバスに書いてから、オズボーンのチェックリスト的に枠組みを壊してみて新たな価値が提案できるか考えるスキームは勉強になった。

ProductName 図解ビジネスモデル・ジェネレーション ワークブック
今津 美樹
翔泳社 / 1554円 ( 2013-04-09 )


  • 価値提案が全てをつなぐ要
  • キャリアデザインにも使えるので、転職の際に自分の価値を再確認できる

トヨタ生産方式の名著

著者が本人なので当然か。具体的なことではなくメタな視点で書いてあるので、今まで断片的に理解していたことがまとまったのと、もっと思考の幅が広がるような名著だと思う。

「ジャストインタイム」とはチームプレーすなわち、連携プレーの妙を発揮させることである、「自働化」とは選手一人一人の技を高めることであると考える

という記述には目から鱗が落ちた気がした。

ProductName トヨタ生産方式
大野 耐一
ダイヤモンド社 / ?円 ( 2012-09-14 )


  • プルという思想から「かんばん」という実装に至った
  • 少人化という考え方

創薬はプロダクトバックログという考え方が弱いかな

知財化する際に、誰が作ったかが重視される風潮がある気がするので仕方ないのかなと思う部分を差し引いても、合成案とケミストの癒着は強いんじゃないかなぁと。

スクラムにおけるプロダクトバックログとかスプリントバックログ的な考え方をもっと強く押し出さないと、プロジェクトに貢献できないんじゃないかなぁ。

あと、合成案批判を人格批判と受け取るヒトが多すぎる気もする(文化かな)。それも知財化が絡んでいるんだろうな。

とか考えていたら、ペアプロみたいに合成案を相互レビューするようなやり方ってメリットあるんじゃないかなぁという気がしてきたけどどうなんだろうね。

GitHubなんかを使い続けてソースコードの共有が普通に受け入れられるようになると、創薬のプロジェクトで、自分の案に固執したり、クローズにしたがるカルチャーに閉塞感を感じてしまう。

職場のウェブサービスにもAIDMAは必要

ユーザーを顧客と考え、顧客を育てるという地味な仕事も必要なんだろうなぁと思うんだけど、育ててもらうサイエンティストってなんなの?(以下略)という気持ちが強いし、そういう仕事は地味すぎて評価されないので優先度を下げてる。

かといって、そこらへんをやらないとユーザーが増えないというジレンマが。

というわけで、なんか楽しみながら(給料と関連付けないで)モチベーションをあげるやり方を探している。

ProductName 販促の教科書 (1THEME×1MINUTE)
眞喜屋実行
すばる舎 / 1470円 ( 2013-05-21 )


  • 心のつながり
  • 伝わるように意識する
  • 道標を用意する
  • 利用イメージを分かりやすく伝える

利用イメージを分かりやすく伝えるってのが難しいなぁ。

自家製ソンジャーネ

2人目産むの無理ゲーすぎるというエントリというか愚痴を読んで。給料が少ないとかそういうのは問題になっていないという空気感は取り入れてある。

頼れる実家が近くにあって、旦那も定時で帰ってくる、みたいな夢のような非実在家族

頼れる実家は近くにないけど、僕は基本的に定時で帰っている(妻は専業主婦ではないが正社員でもない)。僕の場合は朝はかなり早く出社するので残業していることになるけど、子供が病気になったら(積極的に)休みを取ったり、まぁそういう分担は普通。もしパートナー間で分担しない場合、専業主婦じゃないかぎり無理ゲーだし、専業主婦だとしてもかなりハードなんじゃないかなと思う。僕のまわりを観測してみると二人以上の子持ちはだいたい専業主婦だし、旦那はみんな遅くまで働いている気がするなぁ。

で、なぜ彼ら(旦那ね)は家庭へのコミットが少なくならざるを得ないのか?

それは社会がそういうシステムになっていてそれをみんなが肯定しているからでしょう。

会社における重要度緊急度マトリクス

自己啓発系によく説かれているように、重要度緊急度マトリクスのうちで大切にしなければならないものは第二象限の重要だけど緊急でないものですね。できるサラリーマンの皆さんは当たり前過ぎて言うまでもない。

じゃぁ第三象限ってなんなの?っていうのは素直に生じる疑問なんだけど、自己啓発系の本でこの象限に関しては言及が非常に少ないように思う。

僕は、既存の(特に年功序列が色濃く残る企業)においては、重要じゃないけど緊急だという第三象限をこなすことで、出世ポイントが貯まると解釈している。これに年功序列ポイントと労組ボーナスを加味して出世つまり給料の上昇という形で、自分の仕事へのフィードバックが行われるわけですね。

lifehack

ただ、時間は万人にとって平等であり、大抵の場合、第二象限、第三象限を同時にカバーする余裕はないので選択を迫られるわけだ。

  • 第三象限を切り捨てる
  • 第三象限を残業という拡大仕事枠を用意して取り込む

大抵は後者を選択するせいで遅くまで働くことになり、2人目産むの無理ゲーすぎるのようにパートナーとの負担分担が難しくなっているのだろう。僕の場合は第三象限切り捨て派として暮らしているために、家族や子供のために使う時間はそれなりにあるが、最近特に出世のレールからは若干はみ出してるかなぁと感じている。

つまるところ、第三象限はムダというわけではなく(そもそも第一象限は差別化要因ではないために)会社はああいう重要でない割に緊急なものをどんだけこなすかで、会社に対する忠誠心を測っているのかなぁと。

なんというか「残業してまで第三象限的な仕事をこなす」 イコール 「会社にコミットしているのよ」というコンセンサスが取れているのがそもそも問題なんじゃないかなぁと。

一昔前の終身雇用型の労働環境だったらこれが生き方の選択としてごく普通だったんだろうけど、これからはこのやり方でいいのかなぁ?もっとちゃんと考えたほうがいいんじゃないのかなぁと思うんだけどどうなんだろうねー。

そんじゃーね