アジャイル開発を創薬系にどう取り込んでいくかっていう観点で。
第V部のアジャイルなプログラミングに関しては昔考えたことがあるので、II−IV部あたりを。III部の計画づくりはうまく取り込むのが難しそうな気がするけどIV部の運営は色々参考になる。
まず、ソフトウェア開発と初期創薬開発の似ている部分異なる部分を書いておくが、特に異なる部分が重要。
異なる点
- 工学的にコントロールできるわけではなく、発見に頼る部分がある。つまり作ってみて評価してみないとわからない部分が大きい
- 成功したかしないかの二択。9割完成したとかはない(こういうのは失敗とみなされる)
- ベロシティがうまく見積もれない。ブレークスルードリブンなので非連続の進捗になりやすい
- あっちを動かすとこっちがおかしくなるというなかでバランスをとリながらベストを探るという多次元最適化戦略になることが多い
似ている点
- 何人もの異なるエキスパートの協調作業を強いられる。役割はきちんよ分かれているが、優秀な人材は幾つかのフィールドをまたぐことができる(インフラもフロントエンドもできるプログラマみたいな感じ)
- 自分のジョブしかできないヒトはスコープが狭いし、メタな視点に立てない。学習意欲のない人の生産性が低いもの一緒
みんなをバスに乗せる
スタートを切る前からだめになってしまうプロジェクトの主な理由は次の二点
- 答えるべき問いに答えられない
- 手強い質問をする勇気を持てない
まぁ、創薬プロジェクトでもよくありますね、認識しておかなければいけない問題を敢えて目をつぶって進めてた結果、激ハマリっていうパターンが。
手強い質問を先にすませてしまうためにインセプションデッキというツールが使える。
インセプションデッキは10の手ごわい質問と問題から構成されており、いずれの課題もプロジェクトを開始する前に聞いておかないとまずい質問ばかりだ
エレベーターピッチ
効能
- 明快になる
- チームの意識を顧客に向けさせる
- 核心を捉える
テンプレート
- [潜在的なニーズを満たしたり抱えている課題を解決したい]したい
- [対象顧客]向けの、
- [プロダクト名]というプロダクトは、
- [プロダクトのカテゴリ]です。
- これは[重要な利点、対価に見合う説得力のある理由]ができ、
- [代替手段の最右翼]とは違って、
- [差別化の決定的な特徴]が備わっている。
やらないことリスト
「やる」、「やらない」、「あとで決める」をきちんと見える化しておくツール。
創薬プロジェクトで「やらない」にタスクを入れるのはなかなか難しいかも。なので、「やる」と「後で決める」を明確に分けられればいいかな。
アジャイルなプロジェクト運営
ジャストインタイム分析の利点
- 最新かつ最も充実した情報に基づいて分析できる
- プロジェクトが進むにつれて分析がうまくなっていく
- 手戻りが大量に発生することを避けられる
最後の手戻りを避けられるのは大きな利点だな。それからリリースボードとストーリーボードは便利そうだ。
アジャイルな計画づくり
これが一番納得出来なかった。ベロシティが見積もれないようなプロジェクトだと与えられた期間を頑張るしかないんじゃないかなぁと思う。
それから名前が付いてるのかどうかわからんけど、探索的なプロジェクトだと締め切り間際になると集中力を発揮して何とかやり切るパワーみたいなのってありますよね。そういうのも重要だと思うんだよね。
というわけで、この部に関してはモヤモヤ感が残っているのでまた後で書くかもしれない。