裏方はおいしい

事務局力のススメ。技術としては面白かったけど、これに頼ったジョブはどうなんだろうね。

「管理職を目指す行動指針」では管理職にするらなれない

評価制度に関しても

短期的な評価の積み上げが長期的な出世につながる人事評価メカニズムは、近視眼的な思考を促す。その結果、視野の狭い仕事だけで評価された人が管理職になって、経験不足で失敗することになる

と、客観的にみている。そういう状態で会社でうまくやるには事務局力をつけて裏方から仕事を動かすことを説く。まぁ、普通は転職と天秤に賭けるんだろうけど、本書は如何に頑張るかという内容なので、そういうことは書いてない。

ProductName 裏方ほどおいしい仕事はない!
野村 恭彦
プレジデント社 / 1500円 ( 2009-10-15 )


  • 社内をぶらぶらしよう
  • 情報はどんなひとのところに集まるか
  • 提案が通るかどうかは、内容よりも参加者の顧客満足によって決まる
  • ホウレンソウに対比して「置き石、水やり、待ちぶせ」

トヨタ流現場の人づくり

ちょっと人情系入りすぎだけど、改善した後の短縮された時間をどう使うのかという認識が一致していないとうまくいかないというのは盲点だった。

改善するための前提

たとえば導入した結果、従来と同じ量の製品をつくるのに要する時間が、一時間短縮できたとする。この短縮した1時間をどう使うのか。そこをはっきりさせておかないと、時間を短縮した意味がなくなる。

自分の場合、効率的に仕事をして、余った時間は「より高度なことにチャレンジするか、早く帰って家で新規な技術を試すかっていうこと」に突っ込むの当たり前じゃんって思ってたので。

単に時間労働って考えている人にとっては時間ギリギリまで引き伸ばすのは当然の事なので違和感を感じるのかと気づいた。思い返せば確かにグダグダ言ってるな。

ホウレンソウとは

事実は起きた瞬間に事実ではなくなり、見たものの主観に左右されてしまうからである。主観で書かれたものは、もはや事実ではない。

プロジェクトの報告もプロジェクト側から語られるものはそういう性格を帯びる。そういうのを客観的に眺めたくて色々チャレンジしているところ。

僕もホウレンソウのうち報告と連絡は無駄だと思っている。あんなのはコンピューターが定期的にレポートを出して、相談に時間を費やすべきであろう。

ムダとはどこからみて

答えは、ひとつ。あくまでも「後工程」にとってムダかどうかである。

これはどうなんだろう。ちょっと悩んでいる。生産だとシーケンシャルだから、後工程ってのは直後の行程であることが多いだろう。多次元最適化とかやってる場合後工程ってのはデータが全部出揃ったとこのことなのだろうか?

失敗を貴重な体験と考えよう!

何のためにメモを取るのかというか、僕のメモテク

なぜメモをとらない若手社員が増えているのかというエントリを読んだ。ちなみに僕は、メモ魔なのに取ったメモを読み返さないで、同じ失敗を何度も繰り返す年上の部下に「お前のメモに「メモを読み返すこと」ってメモっとけ!」ってブチ切れた苦い思い出があるのでメモ魔は苦手だ。

リンク先にも書いてあるが、

メモをとる理由は、打ち合わせの内容・やるべきアクションを「忘れない」「確実に実行」のためです。よって仕事上で正確なメモをとるようにしないと意味がありません。

実際は、これプラス合意が必要だろう。打ち合わせのメモというのは議事録的な性格を帯びていることが多いし。

さて、そのようなものは指示を受けるほうが用意しないといけないだろうか?

否というのが僕の考えなので、最近は上司に仕事を振ることの多い僕が試している方法を2つほど紹介してみたい。

メモや議事録をWIKIでとる

会議の最後に5分ぐらいラップアップの時間を設けて、WIKIをスクリーンに表示しながら議事録をつくります。いつまでに誰が何をやるかを合意していきます。メモはあくまで主観的な情報の羅列だし、こういったものをもとにメールベースで議事録を作ろうとすると、行った言わないとか無駄なオーバーヘッドが発生するので、その場で合意するのがいいね。

これは外資系出身の元上司に教わって、試してみたら自分に合っていたのでそれ以来できるだけこのやり方をしている。

議事メモの作成は書記的な人を指名してお願いしてもいいけど、

3.本質を見極める習慣が身につく。 打ち合わせで話した内容で本当に重要なことは何か?を覚えておける範囲は限られる。だからこそ、重要なポイントを探る力が身につくようになる。

とかいう言い訳じみた事を言う人にラップアップやらせれば要点だけのスマートな議事録が出来て、自分たちも先方も喜ぶかもしれない。。

redmineを使ってその場でチケットを発行しておく

最近気に入っているのが、redmineを使ってタスクに落としてしまうことだ。これだとwikiで文章化する手間が減りますし、先にも出したメモの本来の目的である

メモをとる理由は、打ち合わせの内容・やるべきアクションを「忘れない」「確実に実行」のためです。よって仕事上で正確なメモをとるようにしないと意味がありません。

という5W1Hが簡潔な形で記述されます。

タイムラインで見たい場合にはガントチャートで表現できるし、誰にどのくらい仕事が振られているのか一目でわかるので調子がいい。

業務の引き継ぎとか新人研修みたいなのはWIKI

同じことを繰り返して教える場合はWIKIがいい。まずはWIKIのマニュアルを見てやってもらってわからないことがあれば質問してもらうという方式にする。わからないことは丁寧に教える代わりに、覚えたことをWIKIに足してもらうことで、マニュアルが洗練されるし、次に教わる人にとってもより分かりやすくなるので、みんなの利益になっていい。

まぁ、これはどこでもやっていることだと思うけど、一応載せてみた。

まとめ

メモをとらせるというのは、自分で仕事をコントロールしないで相手任せにしすぎな行為の気がする。結局、いつまでに何を取るかの合意を明確にしたいんだから、今だったら色々やりかたあるよねと思っている。

よくわかる「プル生産とプッシュ生産」の本

プルプッシュはMapReduceとかをイメージしたほうがわかりやすいのでそっちから生産管理のイメージにつなげていく。

  • 「プッシュ」スタイルはHadoopがmap関数に1行分のレコードを渡してくれるが、複数行に対しての処理ができない。
  • 「プル」スタイルは複数行に対しての処理が可能だが、map関数のレコードのフェッチを制御する必要がある。

  • お客様は常にプル
  • 後工程は前工程に必要な物をとりにいく
  • プル生産がチェーンシステムとよばれるのは、鎖を引っ張ればピンと張ってスムーズに動き、止めると全体がさっと止まるから
  • 生産リードタイムの長い製品をプッシュで流すと異常や変更があった場合のフォローが大変

個人的にはプルプッシュの話は色々参考になることが多くて、お願いします脳なんてプッシュ方式についてまわる弊害の1つなんじゃないかなと思いながら読んでた。

アッセイ系を依頼書方式(つまりプッシュ)で回していくと、後工程はお願いされる立場になるので

お願いされたらやる -> お願いされたことしかやらない -> お願いされなきゃやらない

ってマインドになっていって、保守化したのち、考えることをやめる。そういう人達と話すと頭がクラクラして精神衛生上よくないのでなんとかしたい。

例えばプル方式にして常にMAXまでアッセイ系をまわすのを奨励するようにすれば、生産性は上がるんじゃないかなぁと思うんだけど。

トヨタ生産方式にもとづく「モノ」と「情報」の流れ図で現場の見方を変えよう!!

私にとっては生産管理力強化の夏です。

大きな観点で理解するには、この本が一番良かった。上にプレゼンする時には本書を参考に大きな視点から個々の案件に持っていくのがよいかな。

バリューストリームの視点から見るということは、個々のプロセスではなく、大きな絵のもとに取り組むということであり、また、部分最適ではなく、全体を改善するということを意味します。

モノと情報の流れとは、一枚のコインの表裏です

バリューストリームマネージャー

機能別分業から脱却するためには、製品ファミリー毎のバリューストリームの流れを理解し、それを改善することに対して責任を持つ人が必要です

バリューストリームに責任をもっているヒトのことであり、創薬系でいえばプロジェクトリーダーにあたるのかな。でも、バリューストリームは工程をまたいだ生産性のことだから結果にしか責任を負わないプロジェクトリーダーはちょっと違うかな。そういう役は見当たらない。

幾つかのリーン指標

  • サイクルタイム
  • VAタイム: お客様が喜んでお金を払ってくれるような付加価値を実際に製品につけている作業時間
  • リードタイム

一般に

VAタイム<サイクルタイム<リードタイム

VAタイムっていうのがピンと来ないが、サイクルタイムの作業時間のうち、製品として役に立った価値を付加した時間のことらしい。

創薬系だと定義されたクライテリアを超えた(価値のある製品をつくった)時間を割り当てればいいのかな?そうすれば無駄なものばっかり作っているプロジェクトはVAタイムが下がるからね。

本書の初めの部分で述べたように、バリューストリームの改善は、本来、マネジメントの責任です

これは正論だけど、研究者をマネジメントにあげるような今の製薬会社の方式だとこういうあたりを学ぶフェーズなんかないからなぁ。難しいですね。

よくわかる「ライン生産とセル生産」の本

セル生産は多能工化してないといけないとか、環境がそろってないとうまくいかないのは明白なので、そういう環境になっている場合にチャレンジするやり方。

そういう意味では、創薬のプロジェクトチームのメンバーも多能工化していたほうが好ましいだろうなぁ。

トラベルタイム

  • ラインの先頭に部品、原料を投入し、ラインの催行日で製品が完成するまでの時間

リードタイムのことか。

ラインバランス

  • 100 * 各工程の正味作業時間の合計 / (最大時間の工程の作業時間 * 工程数)

これは、創薬プロジェクトだと何に対応すんのかなぁ。DMTAの一回あたりの時間をプロジェクト間で比較するとかかな。

どの工程に在庫を置くか?

在庫とは一体に何に対比させるべきか?コンパウンドライブラリじゃないよなぁ。中間体かな?

よくわかる「見える化」の本

見える化とはなにか?

「見る」が意識してみるのに対し、「見える」は意識しなくても自然に目にはいるということである

見えるのはいつか?

見えるというのは人の意志、意識に関わらず見えるということだ

ProductName よくわかる「見える化」の本 (ナットク現場改善シリーズ)
越前 行夫
日刊工業新聞社 / 1890円 ( 2008-02 )


見えない化というもののデメリットを考えれば見える化のメリットがみえてくる。

  • 探す
  • イライラする
  • 危ない
  • 美しくない
  • 楽しくない
  • 間違える
  • 管理サイクルが回らない

最後が重要かな。

取り入れたらよさそうかなと思っている、具体例

  • 現場状況の見える化
  • 多能工マップ(人財の見える化)

よくわかる「作業改善」の本

生産管理は僕の夏のテーマです。

ProductName よくわかる「作業改善」の本 (ナットク現場改善シリーズ)
石川 君雄
日刊工業新聞社 / 1995円 ( 2009-08 )


タクトタイムとは一日の生産量(n)を稼働時間(N)で割ったものをいい、一個あたりに割り当てられる精算時間(N/n) サイクルタイムは1作業単位を行う時間(n,Nには無関係でヒトの能力により決まる)

創薬では生産時間はもっと長くなりがちなのと、作業の単位を明確にする必要がある。

QCストーリー実施ポイント

  • テーマの選定
  • 現状把握と目標値の設定
  • 改善計画の策定
  • 要因分析(4M:Man,Machine,Material,Method)
  • カイゼンの実施
  • 効果の確認
  • 歯止め、標準化

これはPDCAを細かくしてQC改善向けにモディファイした感じだ。

改善の原則

  • 省略の原則
  • 置き換えの原則
  • 結合の原則
  • 単純化の原則

これはオズボーンのチェックリストでもいいかな。

よくわかる非製造業もトヨタ生産方式

生産管理に関して集中的に勉強しております。

トヨタウェイに関しては役に立ったが、タイトルの非製造業での事例はまぁなんというか表面的な説明に終始していて、本質的な問題がなんだったのか?それをどうやって改善したのかという踏み込んだ記述はほとんどなかったように思う。

後から著者を眺めたら、コンサルだったのでまぁそんな感じの本でした。

  • 部下が考えるまでに上司が結果を出してしまっては部下が育たない
  • カイゼンによる生産効率の向上は、能率をあげるために最新鋭の機械設備を導入したりアウトソーシングすることではありません
  • タクトタイムとは作業者が製品1つをどの程度の時間をかけて作業できるか
  • 後工程引き取りシステム
  • 省力化と省人化の違い

「ゴーン道場」は面白い

Empathyは重要

ProductName ゴーン道場 (朝日新書)
カルロス・ゴーン
朝日新聞出版 / 735円 ( 2008-11-13 )


  • 上司と部下はコーチと選手のようなもの
  • 革新の大半は異なる領域同士の交流から生まれる
  • ストレスは人生の一部
  • 歴史は常に勝者の視点で書かれている