トヨタ生産方式にもとづく「モノ」と「情報」の流れ図で現場の見方を変えよう!!

私にとっては生産管理力強化の夏です。

大きな観点で理解するには、この本が一番良かった。上にプレゼンする時には本書を参考に大きな視点から個々の案件に持っていくのがよいかな。

バリューストリームの視点から見るということは、個々のプロセスではなく、大きな絵のもとに取り組むということであり、また、部分最適ではなく、全体を改善するということを意味します。

モノと情報の流れとは、一枚のコインの表裏です

バリューストリームマネージャー

機能別分業から脱却するためには、製品ファミリー毎のバリューストリームの流れを理解し、それを改善することに対して責任を持つ人が必要です

バリューストリームに責任をもっているヒトのことであり、創薬系でいえばプロジェクトリーダーにあたるのかな。でも、バリューストリームは工程をまたいだ生産性のことだから結果にしか責任を負わないプロジェクトリーダーはちょっと違うかな。そういう役は見当たらない。

幾つかのリーン指標

  • サイクルタイム
  • VAタイム: お客様が喜んでお金を払ってくれるような付加価値を実際に製品につけている作業時間
  • リードタイム

一般に

VAタイム<サイクルタイム<リードタイム

VAタイムっていうのがピンと来ないが、サイクルタイムの作業時間のうち、製品として役に立った価値を付加した時間のことらしい。

創薬系だと定義されたクライテリアを超えた(価値のある製品をつくった)時間を割り当てればいいのかな?そうすれば無駄なものばっかり作っているプロジェクトはVAタイムが下がるからね。

本書の初めの部分で述べたように、バリューストリームの改善は、本来、マネジメントの責任です

これは正論だけど、研究者をマネジメントにあげるような今の製薬会社の方式だとこういうあたりを学ぶフェーズなんかないからなぁ。難しいですね。

よくわかる「ライン生産とセル生産」の本

セル生産は多能工化してないといけないとか、環境がそろってないとうまくいかないのは明白なので、そういう環境になっている場合にチャレンジするやり方。

そういう意味では、創薬のプロジェクトチームのメンバーも多能工化していたほうが好ましいだろうなぁ。

トラベルタイム

  • ラインの先頭に部品、原料を投入し、ラインの催行日で製品が完成するまでの時間

リードタイムのことか。

ラインバランス

  • 100 * 各工程の正味作業時間の合計 / (最大時間の工程の作業時間 * 工程数)

これは、創薬プロジェクトだと何に対応すんのかなぁ。DMTAの一回あたりの時間をプロジェクト間で比較するとかかな。

どの工程に在庫を置くか?

在庫とは一体に何に対比させるべきか?コンパウンドライブラリじゃないよなぁ。中間体かな?

よくわかる「見える化」の本

見える化とはなにか?

「見る」が意識してみるのに対し、「見える」は意識しなくても自然に目にはいるということである

見えるのはいつか?

見えるというのは人の意志、意識に関わらず見えるということだ

ProductName よくわかる「見える化」の本 (ナットク現場改善シリーズ)
越前 行夫
日刊工業新聞社 / 1890円 ( 2008-02 )


見えない化というもののデメリットを考えれば見える化のメリットがみえてくる。

  • 探す
  • イライラする
  • 危ない
  • 美しくない
  • 楽しくない
  • 間違える
  • 管理サイクルが回らない

最後が重要かな。

取り入れたらよさそうかなと思っている、具体例

  • 現場状況の見える化
  • 多能工マップ(人財の見える化)

よくわかる「作業改善」の本

生産管理は僕の夏のテーマです。

ProductName よくわかる「作業改善」の本 (ナットク現場改善シリーズ)
石川 君雄
日刊工業新聞社 / 1995円 ( 2009-08 )


タクトタイムとは一日の生産量(n)を稼働時間(N)で割ったものをいい、一個あたりに割り当てられる精算時間(N/n) サイクルタイムは1作業単位を行う時間(n,Nには無関係でヒトの能力により決まる)

創薬では生産時間はもっと長くなりがちなのと、作業の単位を明確にする必要がある。

QCストーリー実施ポイント

  • テーマの選定
  • 現状把握と目標値の設定
  • 改善計画の策定
  • 要因分析(4M:Man,Machine,Material,Method)
  • カイゼンの実施
  • 効果の確認
  • 歯止め、標準化

これはPDCAを細かくしてQC改善向けにモディファイした感じだ。

改善の原則

  • 省略の原則
  • 置き換えの原則
  • 結合の原則
  • 単純化の原則

これはオズボーンのチェックリストでもいいかな。

よくわかる非製造業もトヨタ生産方式

生産管理に関して集中的に勉強しております。

トヨタウェイに関しては役に立ったが、タイトルの非製造業での事例はまぁなんというか表面的な説明に終始していて、本質的な問題がなんだったのか?それをどうやって改善したのかという踏み込んだ記述はほとんどなかったように思う。

後から著者を眺めたら、コンサルだったのでまぁそんな感じの本でした。

  • 部下が考えるまでに上司が結果を出してしまっては部下が育たない
  • カイゼンによる生産効率の向上は、能率をあげるために最新鋭の機械設備を導入したりアウトソーシングすることではありません
  • タクトタイムとは作業者が製品1つをどの程度の時間をかけて作業できるか
  • 後工程引き取りシステム
  • 省力化と省人化の違い

「ゴーン道場」は面白い

Empathyは重要

ProductName ゴーン道場 (朝日新書)
カルロス・ゴーン
朝日新聞出版 / 735円 ( 2008-11-13 )


  • 上司と部下はコーチと選手のようなもの
  • 革新の大半は異なる領域同士の交流から生まれる
  • ストレスは人生の一部
  • 歴史は常に勝者の視点で書かれている

アンディ先生と私(トヨタのカイゼンの話)

最近、生産効率のカイゼンに取り組んでいるのでこういったあたりを勉強している。

無駄な仕事を省く。そしてより価値のある仕事に就かせる

労働者目線だったらこれはいいのかもしれないが(研究者でこういう受け身なのはダメだろうなと思いつつも)、まぁ新しいことをやるのは面白いので楽しく取り組んでいる。

ProductName アンディ先生と私―トヨタが私に教えてくれたこと
パスカル デニス
センゲージラーニング / 1575円 ( 2007-12 )


本書を読んでいてカンバン方式ってものがよくわかった。これは結局プルじゃないかと。

創薬系だと、合成した化合物は後ろの工程にプッシュ式に送るのが普通だ(動態試験とか、薬理試験) これをプル方式で考えなおすっていうのは面白いかもしれない。

そういう試験系のフローは「依頼書」という形でプッシュしていくんだけど、そうすると依頼される側は依頼されたことしかやらないというカルチャーが根付いてしまい、官僚化、保守化するんだよね。うちの部署も完璧にそんな感じで、インフラ構築しなきゃいけないのはずなのに依頼されてないからやってないとかそういう発言するのをなんとかしたいんだけど、なかなか難しいよね。

サラリーマンが“やってはいけない”90のリスト

ネガティブ視点から入っていく。やるべきことをやれじゃなく、やらないべきことは何かを語ってる本。40代の会社にしがみつきたいヒトには参考になる本なのかな?

逆にそういうヒトの思考をちょっと知るにはいい本。まぁ一緒に仕事したくないけど。

部下が報告しないのは、報告の意義を知らないとか、怠慢といった意識の問題ではなく、保身を目的とした意図的な情報隠し、すなわち「情報の私物化」だからである

こんな感じのちょっとネガティブめなのがひたすら書いてある。

ProductName サラリーマンが“やってはいけない”90のリスト
福田秀人
ぱる出版 / 1470円 ( 2012-02-01 )


  • スポーツや音楽の分野で第一級のプロで構成されたグループの事例をもとにしたアンチ管理論やリーダー論に惑わされてはいけない
  • 成果主義は本質的に経営者の経営責任や経営リスクを社員に転嫁する制度でもある
  • 真面目さを一度失えば回復が難しく、成果主義で会社がつぶれた後の転職が難しくなる

著者は成果主義嫌いなんだろうなー(僕もだけど)

「ビジョナリー・カンパニー」を読んだ

金メダルのチームを銀、銅メダルのチームと比較して抜きん出た特徴を明らかにする。既に古典に近いが色褪せないのが古典のいいところですね。

ビジョナリー・カンパニーをつくるための概念を要約するとこんな感じ

  1. 時を告げる予言者になるな。時計をつくる設計者になれ
  2. 「ANDの才能」を重視しよう
  3. 基本理念を維持し、進歩を促す
  4. 一貫性を追求しよう

ProductName ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
ジェームズ・C. コリンズ
日経BP社 / 2039円 ( 1995-09 )


  • 会社を究極の作品と見るのは、きわめて大きな発想の転換である
  • Big Hairy Audacious Goals (BHAG)
  • いいアイデアであれば採用したい。そうでない場合でもそれが現実的でないと証明できれば一種の保険になり

トピックブランチ的にワーキンググループを使う弊害

最近(というかここ2,3年くらい)今の職場で、新しい挑戦はセクションの壁を超えてトピックブランチ的にワーキンググループを作って自主的に議論して上に提案するというスタイルが普通になった。

これはやる気がある人が積極的に議論に加わるので、調子がいいし議論も生産的で楽しい。

が、あるワーキンググループの議論の中で「自分はその(別の)WGに参加してないからコンテクストが理解出来ない」みたいなことを言われたのでちょっと考えてしまった。

トピックブランチは他に影響を与えないで新しいことを試すので、WGも参加者以外には基本的に見えない。だからそういう発言になってしかるべきだし、それはあり方として正しい。一方で全然ワーキンググループに参加しないヒトは振る舞いや思想がメンテナンスブランチのそれに近くなってきているのではないかと。そもそも保守的な考えのヒトが多いからほっといたら保守化するわな、そりゃ。

昔はセクションのトップがそういうヒトにもある程度成長のためのチャレンジを促していたような気がするけど、プロジェクト色が強くなるとどうしても自主的に動けるかどうかが重要視されるよなぁと。

まぁサイエンティストだったら当たり前の感覚だろうけど、企業研究者の8割は単なる労働者でしょ?そういう状況で、こういうやり方が組織論的に正解なのかはよくわからん。