「小さなチーム、大きな仕事」を読んだ

働き方に関して。サステナビリティって言葉が頭をよぎった。

ProductName 小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)
ジェイソン フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー ハンソン
早川書房 / ¥ 1,155 ()
通常2~5週間以内に発送

会社は大きいほうがいいなんて幻想だ。今日では誰でも自分のアイデアをもとにビジネスを始められる。高価な広告枠、営業部隊、オフィス、いや、会議も事業計画もいらない。昼間の仕事をしながら、初めは週末の数時間を費やすだけで十分だ。小さな所帯で、シンプルに、迅速に、臨機応変に—それで僕らは成功している。二つの大陸に散らばった十数人のメンバーだけで数百万人のクライアントを抱えるソフトウェア会社37シグナルズは、その優れた製品だけでなく、常識破りな会社運営法でも、業界観測筋の目を釘付けにしている。その創業者とカリスマ開発者が、いまのビジネスに真に必要な考え方を示す。

  • ワーカホリックは馬鹿げている
  • イーベイのアイデアと実際にイーベイを作り上げることは関係がない
  • 中途半端なひとつのものよりも、とても良く出来た半分の大きさのモノのほうがよいに決まっている
  • 「あとで決める」を積み重ねていくことはできない
  • TODOリストもより短く
  • マーケティングは部署ではない

「iPhoneとツイッターで会社は儲かる」を読んだ

儲かるかどうかっていうよりは社内コミュニケーションにどう生かすかって感じの内容だった。内容もゆるい感じで、少し薄い感じがした。

他の新書がBlogなら、この本はそのリアルタイム性と薄めの内容からtwitter的みたいな。こういう内容に興味がある層は、社内Wikiだイントラブログだ、シャベルだといろいろトライアンドエラーを繰り返しているだろうから、書いてある内容は大体理解しているだろうからなおさら、薄く感じるのかもしれないけど。

敢えて言えば、組織のトップが理解して実践するとどうなるか、つまり「メリット2 組織のベクトルが揃う(p.74)」ってところが印象に残ったが、組織のトップだったらメッセージを発するってのはミッションそのものだから、強いメッセージ手段と比べてどうなのかとかそういう話も入れて欲しかったけど。

社長のtwitter見てない社員は組織のベクトルが揃わないので、すぐやめるとか、やめさせることで(略)みたいな。

ProductName iPhoneとツイッターで会社は儲かる (マイコミ新書)
山本 敏行
毎日コミュニケーションズ / ¥ 819 (2010-02-23)
在庫あり。

5章以降はちょっといまいちだったな。iPhoneよりもスマートフォン一般の未来についての内容だと思ってたら、普通にiPhone使うって話だった。

「たった1%の賃下げが99%を幸せにする」を読んだ

これの流れで読んでみた。

ProductName たった1%の賃下げが99%を幸せにする
城 繁幸
東洋経済新報社 / 1260円 ( 2009-03-27 )


こっちは社会構造を変えないといけないし、若い方の世代がもっと積極的に政治に介入していかないと難しいんじゃないかなぁと思った。

「いかにして問題をとくか」を読んだ

名著ですな。なぜ今まで読まなかったのだろう。娘には早い時期に読ます。

ProductName いかにして問題をとくか
G. ポリア
丸善 / ¥ 1,575 ()
在庫あり。

  • ある問題を解くときに我々は同じような問題を解いた経験に頼りつつ
  • サカナを釣ることは針にひっかけることではなく捕まえることである
  • 他のものよりも内容の多い記号を含みが多い
  • 未知のものをよく見よ。結論をよく見よ
  • 発見的推論は何も証明することはできないけれども、それにも関わらず重要である
    • アブダクション
  • 目先がきくということはたちまちのうちに物事の本質的な関連を見ぬいてしまうことである
  • 枕に相談せよ
  • 予想は当たっているかもしれないが、予想を真実と考えることほどばからしいことはない

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト

「7割は課長にさえなれません」と一緒に注文した。両者とも読みやすいが、課長のほうは社会的な構造のほうに焦点を当てているのに対し、人材のほうは、どういう組織を作っていくべきかという前向きな内容。

なので理想論というか、ちょっとリアリティに欠けるという感じはする。本書の内容は目指すべきだけど、そのためには、既存の枠組みを潰さないといけない組織の方が多いんじゃないかなぁと。どこかで一回リセットしないといけないけど、それはなかなか難しいかなぁと(今の組織にいると)思う。

ただ、近い将来の展望はどちらの本も一緒で、普通の能力のレベルから海外のアウトソースの対象になって上と下の生き方が二極化される。そのレンジは海外との賃金格差がなくなるまで落ちていくだろうというのはまぁそうだろう。

  • OJTの終焉
  • 退職していくヒトの扱い
  • ITサービス提供者がユーザー教育をするという高い志
  • バックワードチェイニング
  • どういう人とチームを組むのかが、ある人の成長の重要な部分を決めてしまう(仮説)
  • 読書とは他人が苦労して得た経験を、考えられないくらい格安で手に入れること

「7割は課長にさえなれません」を読んだ

blogの内容をわかりやすくまとめた感じだけど、会社勤めの20代30代は必読的な内容。いや、ホント。

ProductName 7割は課長にさえなれません (PHP新書)
城 繁幸
PHP研究所 / 735円 ( 2010-01-16 )


成果主義+裁量労働とってる会社で組合の存在って意味あんのとか思ってるし、実際会合とかももう数年以上出てない。あいつらは社員の仕事の能力はそんなに変わらないから給料の最低と最高のレンジを20%以下に抑えろとか平気で言うし。あと、組合頑張るやつって基本大した仕事しないわりに、組合の役員やるのが昇進の道とか本気で信じてるし。

生涯賃金のピークがあと4,5年で来そうなのはわかりきってんのに、仕事の難度のピークがそれよりずっと先にある状況ってみんなおかしいって感じないのかな。そこらへん、やりがいとかでかたづけるのはぶっちゃけ暴論だろう。

今の30代くらいは、バブル世代の年功序列組(の使えないほう、使える組はとっとと偉くなってる)とガチでぶつかるんだけど、彼らのケツ拭きをしつつも、彼らのほうが給料が多いという状況を認識しないといけない。で、僕らが同じように下の世代にツケを回せるかというと絶対無理でしょう。

じゃぁ、辞めて移れば?となるんだけど、本書にも触れられているように、それはなかなか難しい気がする。あと、僕のいる業界はどこも似たような状況なんで、世代的に、年功序列と成果主義が中途半端に混じった状態のとこが多い気がする。

でも、だからといって現状に甘んじていることの言い訳にはならないんだよなぁ。というわけで、少し前向きに色々考えているんだけどねぇ。

ビューティフルアーキテクチャをつまみ読み

エッセイ集なので興味があるとこから。

  • 5章 リソース指向アーキテクチャ:「Web上にある」こと
  • 11章 GNU Emacs:漸進的機能追加方式が持つ力(ジム・ブランディ)

ProductName ビューティフルアーキテクチャ

オライリージャパン / ¥ 3,150 ()
在庫あり。

Emacsのアーキテクチャってあんまちゃんと考えたことなかったけど、11章読んだらあーなるほどと思った。Emacs-Lispももうちょっと使い倒して快適な環境を目指したい。

5章も面白かった。

これは既存のコードやサービスやインフラストラクチャを、論理的な名前を持ち、実装の詳細が漏れ出さないようなインターフェースに包み込んで再利用することで、多様な形態のやり取りに使えるようにしてくれる、強力なメカニズムとなります

これについてはRESTful Webサービスが詳しい

ProductName RESTful Webサービス
Leonard Richardson,Sam Ruby
オライリー・ジャパン / ¥ 3,990 ()
在庫あり。

やさしい分子薬理学—分子構造から薬理活性へ

分子薬理学と銘打っているが、内容はStructure-Based Drug Design(SBDD)よりな感じがする。

ProductName やさしい分子薬理学―分子構造から薬理活性へ― [CD-ROM付]
平山 令明
共立出版 / 3990円 ( 2010-02-10 )


中身読んでないけど、薬理的な知識よりは、生化学、有機化学、量子化学あたりの知識があった方が楽しく読めるような。

カバー見てそう思った。

SBDDはタンパク質を巨大な化合物だとみなせば有機化学だし、巨大な電子雲だとみなせば巨大な量子化学系だし、化合物(ここでいうリガンド)をネットワークを構成するアトミックな物質とみなせば分子生物学だし、薬理のメカニズムに組み込めば分子薬理学だし、視点を変えれば新たな発見があったりするので面白いし、まだまだやらなきゃいけないことが多いので魅力的な分野だと思う。

「BCG流 非連続思考法」を読んだ

創造は個人のステップ、イノベーションは集団としてのプロセス

ProductName BCG流 非連続思考法 アイデアがひらめく脳の運転技術
リュック・ド・ブラバンデール,森澤 篤
ダイヤモンド社 / ¥ 1,890 ()
在庫あり。

  • イノベーションは行動であり、創造は考えることだ
  • 我々は現実をありのままに見ているわけではない。自分なりの方法でしか見られない
  • 新しいアイデアを生み出すプロセスとアイデアを優れたものにしていくプロセスは異なる
  • 経営者は答えを探し求める人よりも、答えを出す人を高く評価しがち
  • アイデアの寿命はずっと短くなってしまったので、アイデアを生み出し続ける能力が重要
  • 事故が起きたときに問われるべきは「誰がその管理プロセスをつくったのか」
  • 労働と非労働の区別も曖昧になっている

「医薬品クライシス」を読んだ

風邪でノドが痛いので休んで読書の日。

ふたメルさん(笑)

ProductName 医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
佐藤 健太郎
新潮社 / 735円 ( 2010-01 )


製薬業界のことを大雑把につかむためにもおすすめの良書だと思う。 製薬業界の中の人だったら5章6章は面白いと思う。

成果主義とか危険だよね、つけが回ってくるのは確実だもん。あと、パラダイムシフトはあるよね多分。でもみんな割とのほほんとしてるよね、受け皿ないのに。

でも、オープンイノベーション的な事には触れてなかった気がする。もうちょっと技術に特化したかたちのベンチャーの垂直統合的なモデルはもうちょっと盛り上がってもいいと思っているのだけども、難しいのかな。SBDDとかアウトソースでいいような、自分でやっててアレだけど「これってコンサルだよなぁ」といつも思うもん。