自家製ソンジャーネ

2人目産むの無理ゲーすぎるというエントリというか愚痴を読んで。給料が少ないとかそういうのは問題になっていないという空気感は取り入れてある。

頼れる実家が近くにあって、旦那も定時で帰ってくる、みたいな夢のような非実在家族

頼れる実家は近くにないけど、僕は基本的に定時で帰っている(妻は専業主婦ではないが正社員でもない)。僕の場合は朝はかなり早く出社するので残業していることになるけど、子供が病気になったら(積極的に)休みを取ったり、まぁそういう分担は普通。もしパートナー間で分担しない場合、専業主婦じゃないかぎり無理ゲーだし、専業主婦だとしてもかなりハードなんじゃないかなと思う。僕のまわりを観測してみると二人以上の子持ちはだいたい専業主婦だし、旦那はみんな遅くまで働いている気がするなぁ。

で、なぜ彼ら(旦那ね)は家庭へのコミットが少なくならざるを得ないのか?

それは社会がそういうシステムになっていてそれをみんなが肯定しているからでしょう。

会社における重要度緊急度マトリクス

自己啓発系によく説かれているように、重要度緊急度マトリクスのうちで大切にしなければならないものは第二象限の重要だけど緊急でないものですね。できるサラリーマンの皆さんは当たり前過ぎて言うまでもない。

じゃぁ第三象限ってなんなの?っていうのは素直に生じる疑問なんだけど、自己啓発系の本でこの象限に関しては言及が非常に少ないように思う。

僕は、既存の(特に年功序列が色濃く残る企業)においては、重要じゃないけど緊急だという第三象限をこなすことで、出世ポイントが貯まると解釈している。これに年功序列ポイントと労組ボーナスを加味して出世つまり給料の上昇という形で、自分の仕事へのフィードバックが行われるわけですね。

lifehack

ただ、時間は万人にとって平等であり、大抵の場合、第二象限、第三象限を同時にカバーする余裕はないので選択を迫られるわけだ。

  • 第三象限を切り捨てる
  • 第三象限を残業という拡大仕事枠を用意して取り込む

大抵は後者を選択するせいで遅くまで働くことになり、2人目産むの無理ゲーすぎるのようにパートナーとの負担分担が難しくなっているのだろう。僕の場合は第三象限切り捨て派として暮らしているために、家族や子供のために使う時間はそれなりにあるが、最近特に出世のレールからは若干はみ出してるかなぁと感じている。

つまるところ、第三象限はムダというわけではなく(そもそも第一象限は差別化要因ではないために)会社はああいう重要でない割に緊急なものをどんだけこなすかで、会社に対する忠誠心を測っているのかなぁと。

なんというか「残業してまで第三象限的な仕事をこなす」 イコール 「会社にコミットしているのよ」というコンセンサスが取れているのがそもそも問題なんじゃないかなぁと。

一昔前の終身雇用型の労働環境だったらこれが生き方の選択としてごく普通だったんだろうけど、これからはこのやり方でいいのかなぁ?もっとちゃんと考えたほうがいいんじゃないのかなぁと思うんだけどどうなんだろうねー。

そんじゃーね

お金をどこにまわすか

404 not foundの書評が面白かったので買ったのだが、内容がなかなかアタマに入ってこなくて、ダラダラ読んでた。やっと読み終えた。

お金をどこにまわすかはあきらかなんだけど、それやっちゃうと票集め的にはいかがなものかということになっちゃうのでなかなか難しいのよねーという結論でOKか。

ProductName 日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)
吉本 佳生
講談社 / 840円 ( 2013-04-18 )


  • 制度的に「最低賃金の引き上げ」や「非正規雇用の正規化」を企業に押し付けると、雇用悪化等の弊害がある
  • もともとは各個人の問題である失業を、国全体の経済問題としてとらえることは、簡単ではない。気の毒な失業者と自業自得を区別することは難しいから
  • 不況の長期化は貯蓄のパラドクスによって起きる
  • 日本では、勤続年数が15-19年になると最初の4年よりも44.5%高い賃金がもらえる

最後の話は、本当に理不尽なシステムだなぁと思う。このようなシステムがいつまで耐えられるのか興味はあるが。

今思うと「属人的な手当を廃止して成果主義に以降」ってのは子育ての終わって逃げ切るような世代の給料を下げずに若い世代からやんわり給料をカットするいい口実だったのかなぁと思わないでもない。

高年齢者の雇用を増やすということは低年齢者の雇用の機会を減らすということだと思うんだけど

高年齢者の雇用を確保するなら、低年齢者にはBIっぽい制度でも導入しないといけないんじゃないかなぁなんて思うんだけど、どうなんだろうね。それから先日話題にあがった定年引き上げはほぼ確実だろうからなぁ。今の政策は終年雇用的なサラリーマンを救済している感しかないので、自分たちの時にはどうなるのだろうか?と普通に気になる。

ProductName 65歳全員雇用に対応する人事・賃金・考課の知識と実務
小柳 勝二郎
労働調査会 / 2100円 ( 2013-05-13 )


日本の男性高齢者の就業率は非常に高い

日本企業の仕事の仕方がラクなのか、日本は働かないと食べていかれないのか、社会保障に問題があるのか、趣味がないのか、地域との関連が薄いのか

NPOとかで働けばいいのに。

人事制度というものは正解がないよねーと思いながら、人事制度の試行錯誤の歴史物語を読んでいた。

まぁ今のとこ僕の考えている正解は「正解の存在しないような評価制度の枠組みをうまくかわす」ということかなぁ。

DMTAがいいのかそれともTADMがいいのか?

PDCAに対応するものとして創薬の文脈の中ではDMTA(Design-Make-Test-Analysis)が語られるわけだが、昨日ケミストの方にTADMでサイクルを回すのはどう思うか?と聞かれ、直感的に「それは逃げなんじゃないかなぁ、結局ランダムスクリーニングを肯定することになるじゃん」と否定的に答えてしまったのだけど、後から考えてみると根拠があまりないわなと、もう少し深く考えてみた。

DMTA(PDCA)は仮説駆動サイクルですね、これはまぁ自明。じゃぁ、CAPD(TADM)っていうのはなんなんだ?って考えてみるにこれはテスト駆動サイクルかなと思っていたのだけど、CAPDサイクルでググッてみるに、どちらかと言うと探索駆動サイクルの意味合いが強そうだ。昨日はすっかり忘れていたが、これはちょっと前に考えたことがあった

創薬系においては、そもそもテストにあたるもの(アッセイ系)を構築するのに非常にコストがかかる。同様にDoに対応するMakeにも人件費が大いにかかるため、ランダムな合成というのはリスキーだ。さらに探索という側面がある。そのため、仮説なしに合成する(これをケミストは情報取りのための合成としばしば呼ぶわけだが)、ランダムな合成をして有意義な情報が取れたことが経験上ほとんどない。

という事情もあって、昨日の質問に(半ば短絡的に)否定的な返答をしたのだと思う。

でも実際にはlead optimizationはまず間違いなくDMTAをまわすべきだけど、lead generation (finding)にはTADMサイクルをまわすべきなのだと思う。そのためには探索手法(なにを探索したいのかそのためにはどういう測定系が必要か?さらにはどういう化合物セットを揃える必要があるか?)に精通した人間(またはチーム)が必要なんだろうなぁと。残念なことに僕はそういう探索特化型のメディシナルケミストと一緒に仕事をしたことがないという背景が否定的な結論を導いたのかなと思っている。

そういうヒトと一緒に仕事を出来ればハッピーだろうなぁと思いますね。

というわけで色々考えていたら、DMTAサイクルをまわす能力よりもTADMをまわす能力のほうがずっとレアかなと。昨日の主張はちょっと短絡的だったなと反省した。

長距離索敵陣形

ProductName 進撃の巨人(5) (講談社コミックス)
諫山 創
講談社 / 450円 ( 2011-08-09 )


新社会人のための「チケット駆動議事録」

新社会人のための「チケット駆動議事録」というキャッチーなタイトルにしてもうすこしポップな内容にすればよかった。

あとは、よく言われる「重要×緊急でない」 デキる人の秘密は「第二領域」なんてみんな知っているんだから、もうこっちにシフトしてると思うんだけど、これもキャッチーなタイトルつけときゃよかった。

本文を解析してキャッチーなタイトルを考えくれるサービスないかなぁ。

なければ作ってみようかな。

Zabbixでweb監視

Zabbixのweb監視はトリガーの設定がちょっと面倒くさい。hostに紐付けなきゃいけないけど、なぜそうしないといけないの?っていう。まぁ歴史的経緯の賜物なんだろうなぁということはすぐ分かったけど、コンフィグにwebの項目があるのにトリガーのとこにはないのは気持ち悪い。

webの監視も、webアプリだけ監視したい場合があってそういう時どうすんの?なんて悩むわけだけど、お決まりのやり方は本に書いてなかったので、tweetしたら色々教えてもらった(感謝)。

  1. webを提供しているホストに紐付ける
  2. Zabbixサーバーに集約する
  3. 集約用専用ダミーホストをつくる

死活監視をしているサーバーでwebアプリを運用している場合は1でよいとして、webアプリだけの場合は2か3かな。2の場合はネットワークの死活と紐付けられるので、複合型トリガーを作るには便利で、3の場合はトリガー作成の際、余計なアイテムが出てこないというメリット・デメリットがあるそうです。

自分の環境に応じて選択すればよいと思う。

Zabbixでメールを送信出来るようになるまで

一昨年くらい前の静岡インフラ勉強会で紹介されてたzabbixが良さそうと思って書籍を購入したんだけど、購入後放置していた。

最近やっと使い始めたら、便利なんだけどメールの送信設定でハマった。

がtwitterのzabbix界隈の人達のおかげで設定できた。zabbixユーザー層厚い。というか厚いのはいいことだ。それから、職場のネットからはtwitterが遮断されているのでiPhoneでやり取りすんだけど、zabbix界隈の人達の助言がなかったらどんだけ時間をムダにしたんだろとか。

まぁ、それ以上にうちのIT部署は死活監視なんて使ってないんだけどねーw

zabbixのほうの設定

メールを送るのに

  • サーバーの設定:管理 ->メディアタイプでメールサーバーの設定をする
  • ユーザーのメールアドレス登録:管理 -> ユーザーでユーザーのメールアドレス設定
  • アクションの設定:設定->アクションでメール送信の設定

と3つの段階を踏む必要がある。ちなみに二番目の設定を忘れていた(わかりにくい)。ちなみに、ここまで設定してもメールが送信できなかったのではまった。

トラブルシュート

まずはエラーログってことで/var/log/zabbix/zabbix-server.logを覗いてみるもののなんも出力されてないのでイラッときた。エラーが出るのは想定内だけど、エラーログが出ないのは想定外なんで、ああいうのでイライラするのは環境に慣れているせいかもと思った。

ここから、twitterのzabbix界隈の人達の助言にお世話になりっぱなしで。

  • Administration -> auditをみる
  • eventの時間をクリックしていってログをあたる

とエラーが見つかるということを知った(今回の場合後者だった)。ログによると permission denied (13)っていうエラーでメールの送信ができていなかった。

あらかじめ、telnetでメール送れることを確認してあったので、permission deniedがでるのは謎だったのだけど、若干悩んだ挙句SELinuxが有効になっていることに気づきdisabledにして無事送信できるようになった。

管理->メディアタイプorユーザーの設定のところにテスト送信をするという機能がついていればこれほど悩まず解決したのにと思った一方で、悩んだおかげで多少詳しくなったからまぁいいかなぁと。

スクラムとは何か(アジャイル開発)

僕の場合アジャイル開発という大雑把な括りで理解しているので、具体的な開発手法名はなかなか覚えにくい、というよりそれすらちょっと抽象的な表現なので分かりにくいと言ったほうが適切か。

スクラムとは、会社を機能単位に分割した階層や組織ではなく、どこをとっても会社のビジョンに向かった判断・行動パターンを共有する自己相似の知識創造活動であり、それを実践する人びとである

本書を読みきれば、上の定義があーなるほどと理解できるようになる。あとは、自分のフィールドに翻訳する必要があるのだが、カルチャーを変革する系の手法なので、ボトムアップな取り組みだけではうまくいかないだろうし、上の理解が必須かなぁと思った。なのでマネジメント層に読んでもらいたいなぁと。

  • アジャイルは顧客満足を実現する手段であり可能性のひとつ
  • アジャイル開発では知識の外部への伝播が語られていない(これは欠点)
  • PDCAのPの前にはSECIのSを置くべき

スクラムを実践するには組織を変えていく情熱が必要である

これがなー、厳しい。リーンスタートアップみたいなやり方は時間がかかるしなぁ。

第三部の「アジャイルと開発とスクラムを考える」の野中郁次郎先生の考察が非常に深かった。アジャイルでは知識の外部への伝達が弱いのは技術者の流動性が高すぎるからだと考察している。流動性がそれほど高くない僕のいる業界なんかでは暗黙知の共有とか形式知化なんかは非常に重要なことなので、本書のオリジナルの論文(日本の製造業)と対比しながらの考察は理解が非常に深まった。

以下、製薬業界用メモ。

ユーザーストーリーのフォーマット

  • <ユーザーの役割>として
  • <機能>が欲しい
  • なぜなら<機能の価値や目的>だからだ

動態担当として、logPを下げてほしい、なぜなら膜透過性が改善するからだ

みたいな、なぜ今そういう化合物を作っているのか?というストーリーを張っておかないと、振り返った時に個々の化合物が合成された背景を掴めないし、そのやり方がうまくいきそうかどうなのかが外部から判断できない。

ケミストの「うまくいったから、結果としてうまくいったんだ」というようなくだらないトートロジーに付き合わされるのはかんべんしてほしい、というのはみんなの願いであろう(ケミストそれ自身の願いでもある気がするw)。

プロダクトバックログ

プロダクトバックログとは、実現するかもしれない未来の詰め合わせである。創薬的には合成してもいいかなぁと考えている案のリストと考えることができる。リードオプティマイゼーションにおいてはそういうアイデアリストをプロジェクトごとにまとめて管理して確度の高そうな案から作っていくというやり方がプロジェクト的に理想的かなと思っているんだが5年くらい前からトライしているんだけどうまくいっていない。色々理由はあると思うんだけど知財的なことを考えると誰が作ったかが重要視されるのでまぁしょうがないのかなぁと。

とか考えるとUK-QSARでみかけたAZのスライドはまさにバックログを実装していてすごいなぁと。

空洞化のウソはウソなのかホントウなのか

空洞化のウソ / mark-wada blogで触れられていて気になったので読んでみた。

筆者は新興アジア推しの現地化推し。

著者は空洞化を3つに分解する

  • 雇用の現象
  • 国内技術水準の停滞
  • 海外で稼いだ金が国内に還流しない

雇用の減少

筆者は現地化すれば企画立案部門とか新規開発部門のような付加価値の高い分野に雇用拡大(国内)できると論じているが、これは案にブルーカラーは仕事がなくなると言っているようなもんですね。逆に国内の教育も付加価値の高い人材をつくることに焦点をあわせないといけないが、実際はそうなっていないから、ホワイトカラーの人材も国内外問わずに取ってこないといけないでしょう。

まぁこうなるわな。

国内技術の水準の停滞

こっちのほうが重要だと思うんだけど、現場と離れたところに企画立案部門をつくると官僚化しておかしくなることが多いと思うが、開発力だって落ちていくでしょう。

第一三共とランバクシーの話が出てたけど、創薬知らなすぎなヒトの考えるストーリーだよな。コレに関してはお話にならない、イノベーションが求められている部分がそもそもずれているので。

お金の還流の問題

「日本入っている」戦略で現地化をうまくやってという話は正しいのだろうなと思う。結局人口分布に基づいた戦略は必要になるしなぁ。

お金の流れ的には空洞化していないってのが正しくて、雇用と技術に関してはどうなのかな?っていう印象。

というより、空洞化しているかどうか議論するということが些細な事なのかなと。

あわせて読みたい感じの対談

ビッグデータの衝撃というよりデータ分析の仕事が重要になるよっていう話

ビッグデータとは

  • Volume(データ量)
  • Velocity(データの生成頻度)
  • Variety(多様性、構造化できないという意味も含む)

のいずれか、またはそれらの組み合わせ。

構造化できない大量のデータがリアルタイムにどんどん生成されていくような状況だと、RDBに収めにくいし、処理するのにも新しい技術や手法が求められるということ。

ProductName ビッグデータの衝撃――巨大なデータが戦略を決める
城田 真琴
東洋経済新報社 / 1890円 ( 2012-06-29 )


本書では上に書いてあるビッグデータは狭いと考えていて、データ処理技術、ヒトを含めた組織まで含めてビッグデータとして捉えているが、そっちの話は分析力を駆使する企業のがずっと詳しいし、分析という観点から書いてある。

分析が先なのか、データが先なのかという話に関していえば、優秀なデータサイエンティストを有していればデータを与えれば意味のある分析結果がドンドン精製されてくるが、分析するヒトがいなければデータ生成はムダなコストにしかならないので、分析(者)ファーストだろうなと。

「Data is the new oil」とは良い例えだと思う。結局精製技術次第だし。あとは原油にあたるようなデータの入り口付近にいる業者も有利なんだろうな。

CROSS 2013でデータサイエンティストのセッションがあったみたいですね。