リヨン旅行 (0-3日)

0日目

ギリギリまで会議をしたあと、パッキングをして深夜便で出発したが、新幹線でスーツケースのクラックを発見、この時点で既に凹む。

一方で機内は両隣が空いていて、エコノミーなのにやたらと快適な空の旅であった(差し引きゼロ)。 乗り継ぎ(CTG->LYS)で隣に幼児連れ(1歳前くらいかな)の親子が隣の席になり、暴れん坊将軍しているところを暖かく見守りつつも、フライトの上昇負荷に耐えられずゲボしていた。(私は寝てたので瞬間には気づかず、、)ちょっと凹んだ。

乗り継ぎ待ち五時間で空港からパーデューまで電車で30分かけるなら、 CDGで降りてTGV乗っとけばよかったのではと。でもローヌエクスプレスからの景色は悪くなかったので、これで良かったことにする。

ローヌ川からのノートルダム大聖堂( ではなくグラン・ホテル=デュー かな)

1日目

会議のオープニングが夕方からなので、朝はちょっとポール・ボキューズ市場で美味しいものでもと。

ブション料理のお店が空いていたので、フードをいただけるかどうか訪ねたら、フランス語で何やら言われたのだけどわからんので、見かねたお向かいのお姉さんが英語に訳してくれた。どうも料理の提供は昼かららしいので、「しょうがないすね、また後できますわ」って伝えたら、「まぁええわ、作ったる」ということで、感謝(当然チップもはずんだ)。

トリップと玉ねぎの炒めもの。酸味が効いていて美味しいが量が多かった。

よくわからん。ポテトの薄切りをチーズで焼いたものに野菜の炒めたのを一緒に乗っけたみたいな。これも美味しかった。

2日目

3DSIGに張り付いていた。ポスター会場で知り合いにばったりあってMLCSBに出ていたことがわかったのでちょっと情報共有できてよかった。今年は3DSIGに全振りしたけど来年はTransmedとMLCSBかなぁ。

Invited Presentation: Artificial Intelligence captures language of life written in proteins

Improvement of protein tertiary and quaternary structure predictions using the ReFOLD refinement method and the

  • AlphaFold2 recycling process
  • :Picture:
  • multifoldはDockerイメージを用意している

ImmuneBuilder: Deep-Learning models for predicting the structures of immune proteins.

  • DLはパターンを学んでいるだけで、物理は学習しない
  • あまり精度が良くないのでポスト処理をする必要がある。ちょっとだけ良くなった。
  • ( Transfer learningでnanobodyにも対応できそう)
  • 結局はフォースフィールド頼みというところか

興味深かった/チェックしたポスター

1800からのポスターセッションはほぼ飲み会だったので、すきま時間に捕まえて色々聞かないといけない。

  • A-003: AlphaFold DB: Recent advances and future developments
  • A-015: Ligand Binding Site Comparison Using a Graph Variational Autoencoder
  • A-018: NRGDOCK: AN OPEN-SOURCE HIGH-THROUGHPUT VIRTUAL SCREENING SOFTWARE THAT CAN ANALYZE 1 MOLECULE PER SECOND
  • A-023: Using AlphaFold to delve into signal transduction mechanisms
  • A-029: Is the success of AlphaFold due to a better understanding of physics?
  • A-039: Deriving and Analysing a Non-Redundant Dataset of Nanobody-Protein Antigen Interfaces
  • A-044: Fast and accurate protein structure search with Foldseek
  • A-052: Deep learning-based studying of DNA-protein binding using drying droplet patterns.
  • A-059: From complex data models to actionable insights: Leveraging knowledge graphs for data analysis in life sciences
  • A-063: Standardization and utilization of growth medium information through the Growth Medium Ontology
  • A-276: Iterative Data Augmentation of near boundary negative samples improves the model generalizability in Compound-Protein Interaction Prediction.
  • A-307: A Unified Framework for Target-Based Drug Discovery with Multimodal Contrastive Learning
  • A-376: Gene correlation network analysis and survival analysis of breast cancer based on cancer hallmark genes related to inflammation and immunity
  • A-428: Shedding light on cellular communication analysis: the present and the future
  • A-118: All Staphylococcus aureus bacteremia strains have the potential to cause infective endocarditis: results of GWAS and experimental animal studies
  • A-137: Target repositioning to predict therapeutic target proteins using genetically perturbed transcriptome data

3日

3DSIGに張り付いていた。 構造予測はAF2で大体OKな感じなので、次の課題はProtein-Protein Interactionに完全に移った 感じの構成でした。そのあたりの情報が一度に入手できたので大変有意義であった。この分野は一気に進むとも思えないので、来年はTransmedとMLCSBのほうに出ようかなと。

備忘録代わりにtwitterのほうにたくさん投稿しておいたのであとで読み直す。

ポスターは満遍なくみたけど、ワークフローやシングルセル解析で興味深いものがいくつかあった。

  • B-002: Computational resources for understanding the binding affinity of membrane protein-protein complexes and their mutants
  • B-003: Improvement of protein tertiary and quaternary structure predictions using the ReFOLD refinement method and the AlphaFold2 recycling process
  • B-007: ImmuneBuilder: Deep-Learning models for predicting the structures of immune proteins.
  • B-010: Structure-based deep learning for binding site detection in nucleic acid macromolecules
  • B-019: Is Protein BLAST a thing of the past?
  • B-020: Case studies of protein-protein interaction analysis using a profile method.
  • B-023: A comparison of the binding sites of antibodies and single-domain antibodies
  • B-030: B-cell epitope prediction on HLA antigens using molecular dynamics simulation data
  • B-036: Exploring AlphaFold2's Capability in Predicting Intrinsically Disordered Protein Interactions
  • B-040: Clustering predicted structures at the scale of the known protein universe
  • B-049: MSA Pairing Transformer: Learning to pair interacting pairs of proteins across MSAs
  • B-211: ArkDTA: Attention Regularization guided by non-Covalent Interactions for Explainable Drug-Target Binding Affinity Prediction
  • B-226: Machine Learning Derived Transcriptional Signatures in Cancer
  • B-241: SELFormer: Molecular Representation Learning via SELFIES Language Models
  • B-242: Structure-Independent Peptide Binder Design via Generative Language Models
  • B-256: Leveraging machine learning and combinatorial signaling motif libraries for engineering CAR T cells
  • B-292: Application of Machine Learning for biomarker identification in cancer research
  • B-295: sciCSR infers B cell state transition and predicts class-switch recombination dynamics using single-cell transcriptomic data

ホテルに戻ったら会社の仕事を片付けないといけないので、まぁこんな感じの雑な食事を取っている。 あと一回くらいはブション料理を食べたい、、、

最近の私

最近はなんだかんだと飲みに行っていました。

先週は私の同級生の東大のセンセに講演をお願いしてたので、夜は懇親会も兼ねて彼と繋がりのある人達を囲んでビール飲んできました。楽しかった。招聘の不手際や、職階相当のオーラが出ていないといじられたり、昔話をしたりで大変盛り上がり、やっぱサイエンスの話をガッツリできるのは楽しいですねーと強く思いました(1回目)。

まぁ最後は色々大変だけど頑張っていきましょうということでお互いを労い合いました。

今週もスタートアップに移った元同僚とビールでも飲むかーって感じで突然飲みに行くことになり、あの会社はヤベーとか、裏話の情報交換をしながら、こういうサイエンスがしたいよねーっていう話で盛り上がってました。 やっぱサイエンスの話をガッツリできるのは楽しいですねーと強く思いました(2回目)。

そして今日は、会社の研究発表会で発表しつつ色々な方と情報交換をしたり、プレゼンテーションを聞いたりしながら、やっぱサイエンスの話をガッツリできるのは楽しいですねーと強く思いました(3回目)。

結論:手動かそ

穢れを祓った

最近は、色々あったり、急に熱くなってやる気が出なかったりしたので、夏越の祓をしてみた。あとこういうのやっとくと英会話のスモールトークのネタになるし、そのために色々調べるので結果として知識が増えたりするので良かったりする。

走ってリフレッシュするようにしているのですが、距離が伸びていくのなんでなんかなぁw

マネジメントばっかりしてないでそろそろサイエンスやろうっと。

先週は東京で日本酒飲んでた

先週は色々と情報収集も兼ねて、大塚のきたやまで日本酒の知識をアップデート。今は家では日本酒飲まないからね。 というか家ではお酒自体を控えたほうがいいのだろうけど、、、

二兎といえば、「一兎をも得ず」ですが、ちょっと転職エージェントどうなのよ?って思うことが多いというかお互いの機会損失リスク大きすぎるんじゃないの(エージェント側が勝手に判断して応募見送ったのに書類審査で落ちたことになってたりとか)?って思うので、あまり使わんほうがいいんじゃないかなぁと私は思いました。

今日は浜松で楽しい飲み会があるらしいので、新幹線で移動中です。

「合成化学者のメディシナルケミスト像と計算化学者のメディシナルケミスト像は微妙に異なる」という話

趣旨としては「メディシナルケミストは尊い」となります。

詳細省きますが、最近違いを理解していない人が多すぎてげんなりすることが起こったのと、今週末のCBI講演会でこのあたりの話題が話されるので宣伝がてら書いてみます。

下の図は10年くらい前の某BIソフトウェアのユーザー会で発表したときの資料を少し改変したもので、私がメディシナルケミストをどう定義しているかというものです。

WhatMedicinalChemist

創薬プロジェクトで合成化学者の果たす役割はいわゆる創薬プロジェクトのPDCAサイクル(DMTA)において

  • What's to make (何を合成するか)
  • How to make (どうやって合成するか)

の2つに大別されるかと思います。典型的な合成化学者とか合成CROは与えられた化合物をどうやって合成するのかを考えることに100%コミットします。一方で計算化学者/Chemoinformatist/SBDDerは分析結果から次に何を作るべきかに全振りします。

メディシナルケミストはWhat's to make:How to makeの割合が7:3-6:4くらいではないかと思われますが、海外最大手のPは10:0に全振りしていると聞いたことがありますというか、前職の上司がそれが「なんか違うわー」ってことで辞めたと聞きました。

10年前の私は上のスライドに書いてあるように「何を作るべきかを考えられるのがメディシナルケミスト」というポジションだったので、将来的には分析できるChemoinformatist/SBDDerが合成CROをうまく使いこなせば十分にメディシナルケミストとなりうるだろうと考えていました。実際REINVENTが出たりDeepLearningによる逆合成が急速に発展したしね。

ただ、実際ケミストをマネージメントする立場になってみると合成化学知らないとかなり困るなぁと(一応合成化学専攻出てるけどw)能力不足を感じたり、やっぱり機械学習は所詮機械学習で、既存の反応の組み合わせしか辿れないというか未知の反応を提案することができないというか、それはAIが将棋で「銅」っていう新しい駒を作り出せないのと一緒なのかなぁと最近は考えを改めています。

というわけで、きちんと合成化学のバックグラウンドを持った人がWhat's to makeのための技術を獲得するというのが真なるメディシナルケミストなのかなぁと思うようになりました。

とはいえ、What's to makeに全振りしてDruglikenessだけきっちり押さえればSynthetic Feasibilityは別に無視して誰かに任せてもいいというような道もあるよなぁとは思います。

‘Too Busy’ is a Bad Excuse / リソースが足りないからやるべきことができない症候群

忙しくて(時間というリソースが足りないから)論文を読む暇がない

このような不満を漏らす人は一定数いますし、そういう人たちは自分の主張が正しいと信じて疑いません。 一方で、そのような主張をする人に「仮に『忙しいから論文を読めない』って言う人がいて、彼らの仕事を20%無くしたら論文読みますかねー?」と尋ねるとほぼ100%が「いやーならないでしょうね」と答えますので、論文を読まなくていい理由に"忙しい"を言い訳に使っている自覚はあるようです。

アカデミアからインダストリーに移った人でも同じことを平気でいうのでちょっと驚きましたが、「それってちょっと優秀な(博士持ちの)テクニシャンって感じ?」って笑顔で返したら、めっちゃ嫌な顔をされたあと、「わかったよ。ちゃんと読むよ」と言ってくれたので良かったです。

逆に、ハードワークしているけど論文読みまくっている人に何故かを聞けば、「そんなの当たり前だからでしょ」って返ってきますね。私も同じような感覚で、「論文読むのやめたら研究者人生終わりでしょ」と思っているので普通に読んでいます。

論文は読まないけど研究者として評価されたいとか、企業研究者として昇進したいとかはありえないですね。

人がいないから(人的リソースが足りないから)新しいことに取り組めない

ここからが本題でもうちょいややこしい人的リソースの話になります。

「人が足りないから(減ったから)、なにか新しいことができない / 残業せざるを得ない」という主張も似たような構図なのかなと気づきました。

新しいことにチャレンジしないとか残業を正当化する言い訳として「人が足りない」を持ち出しているのだろうなぁと。実際、人を入れたからといって解消しないです。

結局「忙しい」か「まじで忙しすぎる」の2つの状態しかないのかなぁと。

おまけ

自分にとって「暇だなぁ」は「やることはあるけど、それをやる気が起きないので、現実から目を逸らしている」状態ですw

We are hiring medicinal chemists and X-ray crystallographers

Finally, we have an opening for employments.

The recruitment site is in Japanese due to the company's policy of requiring a minimum level of Japanese reading ability, but registration and interviews are also available in English. The work place is a bit rural area, but you can enjoy Japanese culture, and if you want to go to Tokyo, it takes less than an hour by Shinkansen bullet train, so it is not so difficult to live there.

If you have any questions please feel free to message me.

華味からのRepubrewという昼飲みコース

プロジェクト採択祝いと昇格祝いを兼ねて華味からのRepubrewという昼飲みコースを楽しんできました。

ビール飲むのが決まっていたので華味では水煮肉片麺にしておきましたが、案の定水煮肉片の汁がシャツに飛んでしまいちょっと凹みました。

水煮肉片の作り方はこのあたりを見ればいいです。四川は一度行ってみたいと思っているんですよねぇ。

華味でランチを楽しんだあとはRepubrewに移動してビール三昧

途中さらにひとり乱入してきて楽しい飲み会となりました。やごみもリクエストされたのでまた今度行きましょう。

Mefjus & Camo & Krooked - Break Away

I've been into d'n'b since 1995. This tune is, imo, in the top 10 of all time d'n'b tunes!

そもそもMefjus好きすぎて前職の基幹システムは名前をもじってmefjuzにしたくらいだしな。

「もっとホメて欲しい」の心理について考えてみた

先日ツイートした件について深く考えてみる機会があったのでメモ。

私は褒めることと叱ることはだいたい同じ行為だと思っています。ある行動があったとして、褒めるというのは良い面に目を向けてそういう行動を奨励するという外的動機づけであり、叱るというのは悪い面に目を向けて、その行為を繰り返さないような外敵動機づけだと考えています。どちらも上下関係を前提とした行為であり、部下は上司を叱ることもないし、また褒めることもないでしょうから、トップダウンな組織構築を意図しているように思います。

私はそういう組織構造が好きではないので、上司部下同僚にはかならず「さん」という呼称を使いますし、呼び捨てにしたり君付けで呼ぶ部下が管理職に昇格した際には「さん」で呼ぶように強くお願いしてきました。そして、ホメたり叱ったりせずに感謝するという行為でフィードバックを心がけるようにしています。

という状況で「もっとホメて欲しい」という訴えを聞いて

なんで上下関係を欲しがるんや!、そいつらだけ明日から「君」づけで呼んだろかー?

と憤慨していたのが先日のことでした。

で、上記のことをネタにコーチングを受ける機会がありまして、コーチからいくつか指摘されました。その一つが、

「会社へのエンゲージメントを感じる2つの要素として「貢献実感」と「成長実感」がありますが、fmkzさんは貢献実感に偏っているように思います」

というものでした。

確かに、貢献実感は成果とか昇給昇格に強く結びつくもので、行動承認は軽視しているなぁとは思います。でコーチにこのあたりを食って掛かって見たのですが、コーチいわく

「褒める必要はないんですよ、成長したという事実の指摘にとどめればいいのです」

と言われて、ハッとなりました。

叱らない系のビジネス本だと、「叱らず事実の指摘に留める」と書いてあるように「ホメずに事実の指摘に留めれば」いいんだ!と。

よくよく考えて見ると「褒める」「叱る」は表裏一体なのでそりゃそうだとAha体験を得ました。そういう指摘は積極的にフィードバックしようと強く思いました。

しかしながら、自分にとってそもそも成長実感は自分だけが感じられれば満足できるものであり、他人から指摘されるべきものという認識がまったくなかったので、人生の意義を他人に委ねて何が楽しいのん?という憎まれ口だけ残しておきます。

そういう人たちはSOTAに近づくことはできても超えることは無理よね?