biphenylの立体構造

biphenylの立体構造はお互いのオルト位の水素がぶつかるのでねじれているんだけど、まぁそれはSTO-3Gで計算してもねじれてる構造が出てきた。

じゃぁ、水素じゃなければいいのか?ってことで片方をpyrimidineにしてみたら奇麗に平面になった(STO-3G)

ついでにHOMO,LUMOくらいも見てみた。

HOMO

HOMO

LUMO

LUMO

オチなし。

本が出てた

ドッキングシミュレーション関係の本だろうか。

ProductName タンパク質計算科学 ―基礎と創薬への応用― [CD-ROM付]
神谷 成敏
共立出版 / 5040円 ( 2009-08-25 )


あとGaussian

Gaussianは使ってないのでこっちはあまり興味をそそられないが。

GAMESSでcation-πを計算してみる。

Cation-πってどのくらい安定化すんだろうか?と思っていたので計算してみる。

RCSBを適当にあさって見つけた、1R9LのBETとTRP188を切り出してモデル化する。

W188-BET

で、GAMESSで計算。

最初は6-31G+(d,p)で最適化しようと思ったのだけど、macbookだと全然終わらん。なのでSTO3Gでいいやと。TRPは無駄に計算量が増えるのだけどPHE,TYRあたりでモデル化できるのであればmacbookでも6-31G+(d,p)で計算できるような気がする。

          ------------------------------------
          RESULTS OF KITAURA-MOROKUMA ANALYSIS
          ------------------------------------

                                         HARTREE    KCAL/MOLE
 ELECTROSTATIC ENERGY             ES=   -0.011414      -7.16
 EXCHANGE REPULSION ENERGY        EX=    0.008788       5.51
 POLARIZATION ENERGY              PL=   -0.001679      -1.05
 CHARGE TRANSFER ENERGY           CT=   -0.007053      -4.43
 HIGH ORDER COUPLING ENERGY      MIX=    0.000166       0.10
 TOTAL INTERACTION ENERGY,   DELTA-E=   -0.011193      -7.02

水素結合と同じくらいの強さかな。

以下、STO-3Gで構造最適化した座標を使ってつくったインプット

 $BASIS GBASIS=STO NGAUSS=3 NDFUNC=1 $END
 $CONTRL SCFTYP=RHF RUNTYP=MOROKUMA MAXIT=200 ICHARG=1 MULT=1 $END
 $MOROKM IATM(1)=17 ICHM(1)=1 $END

 $DATA
W188_BET.out
C1
N      7.0    26.56861  22.88472  72.47206
C      6.0    25.05591  23.05763  72.38527
C      6.0    27.18276  23.04159  71.08205
C      6.0    27.14794  23.94295  73.40648
C      6.0    26.89124  21.49601  73.01604
H      1.0    24.65761  22.29324  71.71973
H      1.0    24.84300  24.05067  71.99229
H      1.0    26.95089  24.04166  70.71972
H      1.0    26.73892  22.29197  70.42917
H      1.0    28.26387  22.89551  71.15590
H      1.0    26.89847  24.92550  73.00913
H      1.0    28.22884  23.81270  73.44995
H      1.0    26.70726  23.81001  74.39332
H      1.0    26.46855  20.75492  72.33939
H      1.0    26.44825  21.40230  74.00640
H      1.0    27.97398  21.38820  73.06968
H      1.0    24.63622  22.94695  73.38408
C      6.0    30.61324  20.49644  72.40614 
C      6.0    30.47183  21.03406  71.19420 
C      6.0    30.79531  21.59051  73.36029 
C      6.0    30.75216  22.77934  72.62888 
C      6.0    31.00908  21.63948  74.74382 
N      7.0    30.43745  22.45766  71.27884 
C      6.0    30.92671  24.02761  73.23103 
C      6.0    31.18435  22.86580  75.34238 
C      6.0    31.14962  24.05129  74.58925 
H      1.0    30.33993  20.55500  70.23268
H      1.0    31.04481  20.72825  75.32842
H      1.0    30.86231  23.00634  70.52231
H      1.0    30.90815  24.93911  72.64846
H      1.0    31.36065  22.92555  76.40870
H      1.0    31.30378  24.99933  75.08996
H      1.0    30.61446  19.44515  72.64676 
 $END

The Fragment Molecular Orbital Method

こんなの出てるのか

ProductName The Fragment Molecular Orbital Method: Practical Applications to Large Mokecular Systems

Crc Pr I Llc / ¥ 12,324 ()
通常9~13日以内に発送

買わねば

あと、インプットはここにあったので、論文読みながら実行すると吉。

「基礎量子化学—軌道概念で化学を考える」を読んだ

良書だと思う。多少量子化学の知識は必要だけど。

分子軌道法(MO法)とは,原子に対する原子軌道の考え方を分子に対して適用し,分子の電子状態や反応機構を理解しようとするものである.この量子化学的視点を用いることによって,あらゆる化学現象を統一的に捉えて説明する.化学を学ぶもの必携の一冊.

ProductName 基礎量子化学―軌道概念で化学を考える
友田 修司
東京大学出版会 / ¥ 4,410 ()
在庫あり。

複合体結晶構造とかの結合の要因を探る時には、どうしても有機化学とか量子化学の知識が必要になってくる。且つドッキングというのは化学反応の特殊な一形態であり、それゆえ、弱い力に関する理論的な理解が必須となる(であろうと考えている)。

結局ドッキングというのは、反応により生成物が変わらない化学反応と捉えることができる。(結合を形成するようなものは自殺基質とか呼んで特殊な扱いをするね)

まぁそう考えれば、量子化学的な化学反応に対する理解は重要だろうと自然に導かれるけど。

  • 第7章 分子構造の支配因子
  • 第8章 分子間相互作用
  • 第9章 分子構造と立体化学
  • 第10章 官能基の性質と酸・塩基の強度

あたりは、コンフォメーションとか掘っていく際に役に立つはず。ただ、弱い相互作用に関する話は水素結合くらいしかなかったけど、結構詳しく載っていたので役立った。

その先のもっと弱い結合をどう評価していくかがテーマなんだけど、やっぱいまのところは論文を地道に追いかけていくしかないかな。

ProductName 有機化学のための分子間力入門
西尾 元宏
講談社 / ¥ 4,410 ()
在庫あり。

これも良い本なんだけど実例が基礎っぽすぎて、プラクティカルさが少し足りない。

基礎量子化学—軌道概念で化学を考える

面白そう。

ProductName 基礎量子化学―軌道概念で化学を考える
友田 修司
東京大学出版会 / ¥ 4,410 ()
在庫あり。

読んでみよう

Energy Decomposition Analysis

複合体結晶構造から重要な残基とのインタラクションを見積もるのに、リガンドと特定の残基のシンプルなモデルを切り出してきて、きちんと計算すればよかろうと。

とか書いておいて、FMOの結果から相互作用の強いアミノ酸残基とリガンドを切り出してきて、morokuma-analysisしてみたけど、ちっとも収束しなかった。

うーん、これは困ったと、切り出したモデルでオプティマイズかけて再度計算してみたけどやっぱり収束しなかった。

結晶構造の座標みたいにあまり安定でないデータからエナジー出して、その成分をELECTROSTATIC,EXCHANGE REPULSION,POLARIZATION,CHARGE TRANSFERに分解する技術はきちんと押さえておく必要があるんだけど、どうやればいいんだろうか?

やっぱPIEDAの論文読んでおく必要ある?

FMO references

43 Pair interaction energy decomposition analysis, D. G. Fedorov, K. Kitaura, J. Comp. Chem. 28 (2007) 222-237.

GAMESSでMOROKUMA ANALYSIS

MOROKUMA ANALYSISのサンプル(EXAM28)を。

水とアンモニアのダイマー計算

 $contrl scftyp=rhf runtyp=morokuma coord=zmt $end
 $basis gbasis=n31 ngauss=4 $end
 $guess guess=huckel $end
 $morokm iatm(1)=3 $end
 $data
water-ammonia dimer
Cs

H
O 1 rOH
H 2 rOH 1 aHOH
N 2  R  1 aHOH    3    0.0
H 4 rNH 3 aHNaxis 1  180.0
H 4 rNH 3 aHNaxis 5 +120.0
H 4 rNH 3 aHNaxis 5 -120.0

rOH=0.956
aHOH=105.2
rNH=1.0124
aHNaxis=112.1451 ! makes HNH=106.67
R=2.93
 $end

結果

                                     HARTREE    KCAL/MOLE
ELECTROSTATIC ENERGY             ES=   -0.022336     -14.02
EXCHANGE REPULSION ENERGY        EX=    0.014308       8.98
POLARIZATION ENERGY              PL=   -0.001786      -1.12
CHARGE TRANSFER ENERGY           CT=   -0.003780      -2.37
HIGH ORDER COUPLING ENERGY      MIX=   -0.000687      -0.43
TOTAL INTERACTION ENERGY,   DELTA-E=   -0.014282      -8.96

DECOMPOSITION OF CT
CHARGE TRANSFER ENERGY, MON=  1  CT=   -0.000494      -0.31
CHARGE TRANSFER ENERGY, MON=  2  CT=   -0.003286      -2.06

DECOMPOSITION OF PL
EPL,                    MON=  1  PL=   -0.001068      -0.67
EPL,                    MON=  2  PL=   -0.000584      -0.37
HIGH ORDER COUPLING FOR PL,    PMIX=   -0.000133      -0.08

複合体結晶構造から重要な残基とのインタラクションを見積もるのに、リガンドと特定の 残基のシンプルなモデルを切り出してきて、きちんと計算すればよかろうと。

MolekelでMEPを

AcOHのMolecular Electrostatic Potentialを描かせてみた。

AcOH

これはなかなかよいですな。

そういえば、最近またJPC AとかJPC Bを読み始めた。


あと余談ですが、某ソフトウェアのユーザ会で発表させていただけることになりました。よろしくお願いします。

Molekel

Molekelいい感じ。

molekel