良書だと思う。多少量子化学の知識は必要だけど。
分子軌道法(MO法)とは,原子に対する原子軌道の考え方を分子に対して適用し,分子の電子状態や反応機構を理解しようとするものである.この量子化学的視点を用いることによって,あらゆる化学現象を統一的に捉えて説明する.化学を学ぶもの必携の一冊.
複合体結晶構造とかの結合の要因を探る時には、どうしても有機化学とか量子化学の知識が必要になってくる。且つドッキングというのは化学反応の特殊な一形態であり、それゆえ、弱い力に関する理論的な理解が必須となる(であろうと考えている)。
結局ドッキングというのは、反応により生成物が変わらない化学反応と捉えることができる。(結合を形成するようなものは自殺基質とか呼んで特殊な扱いをするね)
まぁそう考えれば、量子化学的な化学反応に対する理解は重要だろうと自然に導かれるけど。
- 第7章 分子構造の支配因子
- 第8章 分子間相互作用
- 第9章 分子構造と立体化学
- 第10章 官能基の性質と酸・塩基の強度
あたりは、コンフォメーションとか掘っていく際に役に立つはず。ただ、弱い相互作用に関する話は水素結合くらいしかなかったけど、結構詳しく載っていたので役立った。
その先のもっと弱い結合をどう評価していくかがテーマなんだけど、やっぱいまのところは論文を地道に追いかけていくしかないかな。
これも良い本なんだけど実例が基礎っぽすぎて、プラクティカルさが少し足りない。