ちょっと昔に出版された本を読んで、それが正しい未来(今だと現在)であるならば、その洞察はいま読んでも非常に役に立つわけです。
いまでもデフレが続いていると言われているが、2006年刊行の本書は
事の本質をボーダレス化とサイバー化による「価格の正常化プロセス」であると分かれば、いくら回復を待っていても価格下落の流れは止まらないし、ましてインフレターゲット論などはナンセンス極まりないことが理解できるはずだ
と述べている。で、現状はどうかというと、日本はデフレ脱却を目指しているとかそういう話じゃないだろうし、価格の安い製品が恒常的に輸入されているのが価格下落の原因だろうな。つまり本書の主張しているようにグローバルの価格に収斂していると見たほうがいいのだろう。
教育に関しても
人生の生き方を教えることは、学校の教師や塾の講師にはできない。学校の教師は、教員免許を取得して一旦採用されれば「一生食える」と思っている連中で、人生の生き方についておしえられるような社会経験はゼロに等しい
と手厳しい。
一方、農業に関しては、日本は補助金でジャブジャブという認識をされているが、他の国もジャブジャブだという話はみた。国家政策なので、今後どうするかは議論するのかもしれないけど、まぁどうすんのかね?
それから、土地は輸入できるという主張はちょっと目から鱗だった。そのコンテクストでもっていくならば輸出黒字も輸入できるという構図も成り立つのかなと。外国の株主資本比率の高い韓国の企業は輸出で儲けてるけど利益はいったいどこに消えてるんだろうかね(雇用に反映されてないと言われているし)。
後半は大して読んでないけど前半のパートは面白く読めた。