バスの雇われ運転手なのかそれとも所有者なのかという話

最近ちょっとコーチングとかやらされていて、そういえば自分もコーチングを受けてバスの雇われ運転手からバスのオーナーに意識が変化したなぁと思い出したのでそのあたりのことを書いてみる。一応断っておくと、意識とか行動の変容には特にコーチングは必要ないのだけど、自分の場合はそれがきっかけだったということです。

これから小さなチームを持ちそうな人は、バスに誰をのせるかとかいうビジョナリー・カンパニー2のジム・コリンズの名言やスタートアップをうまくやるにはどうしたらいいかというような知識があるほうがよいと思うので、もし馴染みがなければこの2冊を読んでおくといいです。読書のコスパはよいですからね。

例えばスタートアップとかだと、誰をバスに乗せるかはチームのリーダーが決めやすいけど、そこそこ大きい日本の企業だとそのあたりが曖昧で、チームのマネジャーはあまり雇用に対する裁量は大きくなくて、与えられた人的資源をいかにうまく活用するかを求められがちになると思います。それはつまり、雇われ運転手といった表現に近いのかなぁと。 しかし、チームの成功を考えた場合には、「だれをチームに加えるか」つまり「だれをバスに乗せるか」というのはとても重要だし、その裁量はバスの責任者つまり運転手に任せられるべきだと思うんですよね。というわけで、自分は「だれをバスに乗せるか」ということに対して人任せにしないで自分で選択する方向にしましたという話でした。

終身雇用を前提とした(大きな)組織の考え方だと、いまある人的リソースが最大限に活用されるように配置をうまく行うことが求められるし、それが当たり前のものとして受け入れられています。しかし、終身雇用を前提としなければ、チームのマネジメントとしては、「必要な人材を内外問わず探し出してきてバスに乗せる」ことが最良の選択となり、学会(発表)や論文, twitter,linkedin,GitHubは優秀な人材を探すための手段となるでしょう。つまりこれからのマネジメントには強連結ネットワークも弱い紐帯の強さも大いに活用することが求められてくるのかなぁと思っています。

さて、コーチングの話に戻ると、コーチングは相手の行動変容を起こさせるような気づきを与えることだそうです。コンサルが「今ある問題の解決提案」を行うのに対して、コーチが問題への解決案の提案をせず、解決の主体はあくまでも相手に答えを見いださせることを主目的にしているようです。

ProductName 主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント
ディスカヴァー・トゥエンティワン / ¥1,980 (2009-09-09)

となるとコーチングが有効に働く対象は限られるわけで、しらべたら見つかりました

従来の終身雇用のアプローチだとその時点の社員の能力にあった配置を会社が行い、ひとりひとりの社員が定年までイキイキと働ける職場配置を考えてくれるので、コーチングなどはあまり重要視されないのだろうけれど、これが企業に求められてくるということは、社員の成長を前提とした組織づくりが行われていくわけで、裁量もどんどん下の方に委ねられていくんだろうなぁと思います。

そのうち誰をバスに乗せるかもチームに任せられることになるんでしょうね。というか早くそうなってほしいですね。

そうだったのか!臨床試験のしくみと実務

なんとなく買ってみたけど、初学者向けのわかりやすい本だった。

このあたりが知りたかったのでちょっと物足りなかった。

今後シングルセル解析がある程度進むと、患者さんの層別化のバイオマーカーとか出てくると思うのだけど、実際の臨床でどう活かすかとか臨床開発への組み込み方とかそのあたりの具体例とかが知りたかったんですよね。

Reviewでもいいのでなんか良さげな読み物があったら教えてもらえると助かります。

富士登山

今月の初旬に初めて富士山に登ってきた。近くに住んで10年以上経つのに初めてなのは、登山が嫌いというわけではなく

  • 森林限界を超えた岩と砂だらけの登山道、なにが楽しいんだかわからん
  • 夜になると家から見えるあのヘッドライトの長いラインというか行列だるそう

という理由で避けていたのだけど、今年はコロナの影響で登山客が少ないと聞いていたので一度くらいは登っておこうかなと。

体力がないことを痛感したのと、色々と登山装備を新調したので、またちょいちょい登山でもしようかなぁ。

エッセンシャル 構造生物学 (KS生命科学専門書)

RNAの構造解析についてちょっと知りたかったので買ってみたが、読みやすかった。入門書としてよい。

RNAを標的とした低分子化合物の最適化にRNA低分子複合体の結晶構造ってどのくらい使えるのかなぁと。GPCRよりはやりやすいのかなぁと思うのだけど。

英語の読み方 ニュース、SNSから小説まで

Amazonのおすすめに出ていたので読んでみた。

「結局語彙を覚えなきゃならないけど、多読しかないかな」という結論に至った。

精進しよ。

ポケモンGO(Lv. 46)

前回から2ヶ月ちょいくらい。次のレベルは3,4ヶ月後になりそう。

Mishima.syk #17 やりました

Mishima.syk #17に参加された皆様お疲れさまでした。

今回は2回目のオンライン開催だったので、準備に関してはちょっと慣れたしDiscordの使い方もうまくなったと思います。今回は前半はサイエンス寄りの話で後半はネタトークという構成になったのですが、今回も幅広い話題でかなり楽しめました。ただ、Discord使うとTwitterにログが残らないのはちょっとどうしようもないですね。

今回参加された方も次回は5分程度の短めのトークでよいのでなにか話すと良いかと思います。なにか得られるものがあるかもしれません。

  • einsum便利そう
  • gene2pubmedを使ってみないといけない
  • 高性能なマシンが欲しくなった(定期)

ちなみに自分の発表の元ネタとして採用した聖女の魔力は万能ですはだれも見てないのでは疑惑が浮上したので、次回はもう少し考えてチョイスしないといけないなぁというのが反省点かな。

それからもっと手を動かす時間を確保しないといけないなぁと。

Mishima.syk #17 やります

6/12にMishima.syk #17をやります。

今回もオンラインですが、次回は久々にオフラインでできるとよいですね。

私の発表タイトルは「量子の化学は万能です/Quantum chemistry is omnipotent」にしました。予習はこちらからどうぞ。

内容は

  • GCNとかDLのケモインフォマティクスって期待されてたほど上手くいってるの?盛ってない?
  • そこ畳み込みんじゃうの?まじで?
  • 化学構造をグラフで表現するの抽象化しすぎじゃないの?
  • 今更量子化学になにを期待してるの?
  • Psikit作ってたはずなのに何故GAMESSに回帰したの?

みたいな話をするつもりにしていますが聖女次第です。

ProductName 蜘蛛ですが、なにか? (カドカワBOOKS)
KADOKAWA / ¥1,188 (2015-12-10)

LLPS and DDS

先週はCBIの「液-液相分離(LLPS)と創薬」というセミナーを聞いてました。

感想としては「創薬との距離感相当ありますなぁ」という感じでした。完全に'Key and Lock'のコンセプトから外れてるし、天然変性タンパク質にこのコンセプトで干渉しようとするのもかなりハードル高そうに感じました。

どちらかというと、DDSの手法を用いて治療コンセプトを証明していくような方が自然なのかなぁと。オルガネラターゲティングとかの細胞内の局在コントロールみたいな。

ProductName 相分離生物学
東京化学同人 / ¥3,520 (2019-08-02)

なんとなくこれから求められていく治療コンセプトが、もっと上手に生体をハックしていく方向にシフトしていくのかなぁと。そうなってくると、分子生物学の知識がますます求められていくのだけど、それを理解するためには物理化学、化学も精通してないといけないという(LLPSなんて化学だしねぇ、でも解いているのは生物の問題という)。

ハードモードに突入するんでしょうかね?