06052011 life
これは1995年に書かれた本だけど、p.26にはっきり書いてありますね。
津波が押し寄せた場合、かりに頑強につくられている主な構造物が助かったとしても、非常用の補助発電機が冠水してしまえば、原子力発電の全体が停電して、冷却水ポンプを回すこともできなくなり、炉心溶融につながることを覚悟しなければならない。
これは想定内と言わずになんというのだろうか?津波の大きさとか地震の大きさが想定外だったとかはどうでもよくて、起こりうる事象が想定されているのに、それに対して対策がなされていないというのであれば企業責任だと思うし、根本的な対策ができないのであれば原発はシステムとして欠陥品だということですね。というわけで原発は緩やかに停止していくべきかなぁというのが個人的な意見です。
局所的事故を起こして自滅する前に、原子力を安楽死させることが、いま必要である。
10年以上前にこのように書かれているのに今回の事故を契機に、原子力が自滅の道を辿らなかったら怖いですね、何かが麻痺しているとしか。
本書では「原子力をめぐる四つの迷信」として以下の4つをあげて一つずつ潰していく
- 原子力は経済的に有利である
- 原子力は石油代替エネルギー
- 日本の電力の三分の一は原子力である
- 炭酸ガスを出さない原子力は地球を救う
1番目は、結局原子力はリスクを含めたら税金を投入して賠償にあたらなければいけないくらい高くつくエネルギーだったということですね。
2番目は政策的な問題も大きいでしょう。そこら辺は割愛してと。温泉いっぱいあるから地熱とかどうなんですかね?アイスランドみたいに。電気だって自由化すれば地産地消的に消費するようになるんじゃないかなぁ。
3番目は、原子力がそもそも稼動したら細かい出力変動できないという性質による部分も大きいんじゃないかな?ベースロード電力向けに稼動させるのが効率的なんだからそれに最適化される方向で落ち着くでしょう。だから1/3が原子力っていうのは必ずしも1/3を原子力にしないといけないってことではないですね。
4は、原子力は炭酸ガスを出さないけど放射能を放出しますよね、それは環境にやさしいか?ということですな。これも福島原発で明らか。
原発推進は電力を減らすという発想をしないで、代替エネルギーで同量の電気をつくり出そうという議論を始めるけど、熱から電力に転換してそれを熱として再利用するのは電気の使い方として無駄ですね。
オール電化とかエコっぽいイメージを植えつけられてるけど、実際には利便性を買ってるんだろうなぁ。あとは日本の電気代は高いはずなのに、なんでトータルで安くなるんだろう?ガス代のほうが電気代よりずっと高いってことか?なんで?
将来は薪ストーブのある家に住みたいなぁ
- 揚水発電は投入した電力の三分の一しか電力を生産しないし、原発による余剰電力の捨て場として機能しているにすぎない
- 原発は刻々と変化する需要に応じて出力を変動させることができない
- 発電所はエネルギー転換工場にすぎないし、転換効率は35%にすぎない
- 電力に依存する割合が増えれば増えるほど、我々が実際に利用出来るエネルギーの割合が減る
- 電力を熱に転換するのは愚か
- 戦前までは電力市場は自由市場であった