どこかのブログで薦められていて面白そうだったので読んでみたが、非常に面白かった。 行動を強化する好子と弱化させる嫌子とで行動を解釈していく。嫌子つまり行動の弱化はモチベーションの強化とか動機付けにはプラスに働かないというのは経験的にもしっくりくる話だ。一方でしつけとか、(子供時代に養われると思う)ある種のストイックさとか自分への厳しさってのは好子では説明できないと思うんだよなぁ。ま、そういうあたりは置いといてある程度成熟したというか自我形成された大人と言われる人達は行動の弱化というのはあまり良い方法ではないなということは理解した。
p.92
組織がパフォーマンスの向上につながらない行動に価値をおく危険を「行動の罠」と呼んでいる
同じ成果を、100%全力出し切って達成するのと70%の力で達成するのは後者が評価されるべきなんだけど、前者を評価する傾向があるよね。みたいなことが具体例としてあげられていた。
p.94
パフォーマンスに依存して報酬を与えると内発的動機が弱まる
モチベーション3.0で時代遅れと書かれているが、本書では
行動分析学では内発的動機を、仕事の成果が好子となって仕事をするという行動を自動的に強化している状態と考える。つまり、パフォーマンスそのものが好子となればいい。
と書いてある。報酬与えると内発的動機が弱まるというのは報酬そのものが嫌子または行動を弱化させる方向にはたらくものなのであろうか?それとも報酬という刺激は常に増加させないと効果がないもので、増加がないという状況が嫌子になるんだろうかね?
p.145
「タバコをやめる」とか「夫婦ゲンカをしない」など、望ましくない行動を減らすのが目標の場合、その代わりに増やしたい行動についても目標を設定しておくと効果的である。
- 行動随伴性(Antecedent, Behavior, Consequence)
- すべての行動の原理は「〜する」という行動にあてはまり、「〜しない」という行動にはあてはまらない
- パフォーマンスとは行動の成果である
- 組織がパフォーマンスの向上につながらない行動に価値をおく危険を「行動の罠」と呼んでいる
- パフォーマンスに依存して報酬を与えると内発的動機が弱まる
- パフォーマンス・マネジメントでは知識も行動と考える
怒らないこともあわせて読んどくとよいかも