17 11 2011 chemoinformatics network Tweet
ネットワーク分析は楽しいですね。普段は化合物のネットワークとかいじっているんだけど、もう少し見識を広めるために違ったタイプのネットワークの分析手法を勉強してみたくなって本書を読んでみた。
社会ネットワークとは、アクターと呼ばれる行為者としての社会単位が、その意図的・非意図的な相互行為のなかで取り結ぶ社会諸関係の集合である
これらをミクロな視点からみていくか、マクロな視点からみていくかだけど、マクロな視点だと個人の特性が失われてしまうので、これはダメらしい。自分の経験では、(ケミストリーを知らない)ケモインフォマティクスのヒトが、個々の化合物をパラメーターで潰してしまって実態とかけ離れたマクロな解釈しかできないのをよく見るので、まぁそうかなとも思う。
で、よりよい社会像を得るためにどうしたら良いのかということで、社会構造の二重性モデルを使うのが、現代の社会ネットワーク分析らしいです。
個人的に興味が湧いたのは9章の「弱い紐帯」が重要か、ブリッジが重要かという話題とネットワークは凝集的で閉鎖的がいいのか、離散的で開放的がいいのか?という話題。第三部の「ソーシャル・キャピタル研究:組織論への展開」は読み物として面白かった。
セイヤーによれば「関係」は形式的なものと実質的なものに分けられる
形式的の関係とは「ともに30歳」みたいなもので、実質的な関係の例は「夫婦」
ハイパーグラフは個人がグループに所属するような所属関係のネットワークを表すのに利用されたり、重複メンバー関係をモデル化するのに便利
これは以前教えてもらったときに調べた。
かなり教科書っぽいので、手を動かしたい場合は「ネットワーク分析 (Rで学ぶデータサイエンス 8) 」のほうが良いかも