筆者のバックグラウンドは外務省の大使館勤務だったそうで、そういった経験から語られる対話の本質については非常に面白かった。
価値観や信条が異なり相入れることはないというのが前提で、相手を否定せずに妥協点を目指して摺りあわせていくプロセスが対話。
ビジネス本にありがちなタイトルと内容があんまり一致しないけど中身は面白かったので、興味があれば読んでみるといいと思いますね。特に日頃サイエンティフィックな議論をしているヒトこそ対話を重視すべきかなと最近思うこともあった。
ビジネスシーンだとアサーティブな態度とかもセットだな。
- 相手のことはわからない。わからないから話す。その前提の下で「どうすることが自分の身のためか」を考えて行動する
- 国際コミュニケーションは「相手のことはわからない」という前提で成り立っている
- 合意はまず価値観のレベルで考え、次に発想のレベルで考え、最後に主張のレベルで考える
- 多数決は対話の観点からすると、多数派による強制となり(必ずしもよい解決策とは成り得ない)
- 前提や結論そのものは論理的にも非論理的にも成り得ない
- 対話とは戦わないコミュニケーション
- 「何を問題とするか」は個人の価値観や知識や経験に大きく依存している
- エンパシーとシンパシー
- 「みんな」という基準を持ち出すのは対話的な態度ではない
- ミクロのなぜ?とマクロのなぜ?