Lapisというアフガニスタンレストランで前菜としてMantoo(shrimp)という料理を注文し、エビ餃子やないかい!となりました。ちなみに上にかかっているのはヨーグルトとニンニクのソースだそうです。
Mantooの語源は中国語の饅頭であることは理解できるのですが、なぜ餃子なのかがわからなかったので調べてみたという自分以外嬉しくないエントリです。
とても面白いテーマです。実は饅頭(マントウ)と餃子はもともと同じ料理でした。そこから中国で別々の進化を遂げ、西へ伝わる過程でもさまざまな料理に分かれていきました。
起源は「饅頭(饅頭=中身入り)」
最も有名な伝説では、三国時代の諸葛亮が作らせた「饅頭」が起源とされています(伝説であり史実とは限りません)。
当時の「饅頭(mántou)」は肉入りの蒸し物でした。
つまり、
昔の「饅頭」=今でいう肉まんや餃子に近いもの
だったのです。
宋代ごろに分岐
中国ではおよそ宋代(10~13世紀)になると、
- 肉入りのもの
- 皮だけのもの
を区別するようになります。
その結果、
- 包子(バオズ)=中身入り
- 饅頭(マントウ)=中身なし
という現在の中国語の意味になりました。
つまり、中国では饅頭は「皮だけ」になったわけです。
餃子はどうなった?
一方、「肉を皮で包む料理」は別の系統として発展しました。
これが
- 餃子(水餃子)
- 蒸し餃子
- 焼き餃子
へと分化します。
現在の中国では
- 饅頭 → パンのような主食
- 包子 → 肉まん
- 餃子 → 点心・主菜
と完全に役割が違います。
シルクロードではさらに枝分かれ
ここがLapisともつながる話です。
シルクロードを西へ進むと、
中国 │ ├── 包子 ├── 餃子 │ 中央アジア │ ├── Manty(マンティ) │ アフガニスタン │ ├── Mantoo(Lapisの前菜) │ トルコ │ ├── Manti
というように、それぞれの土地で独自に発展しました。
Mantooは見た目が小ぶりで、ヨーグルトソースや豆のソースをかけて食べるのが特徴です。
日本では?
日本の餃子は、中国東北部の水餃子文化が戦後に伝わり、
- 焼き餃子
- ニンニクを効かせる
- ご飯のおかず
という日本独自の進化を遂げました。
中国では水餃子が主流ですが、日本では焼き餃子の方が一般的なのはこのためです。
だからLapisの「Mantoo」は面白い
LapisでMantooを食べると、
中国の饅頭・餃子 → シルクロード → アフガニスタン
という1000年以上にわたる食文化の旅を一皿で味わうことになります。
その後にQabuli Palowを食べると、中央アジアからペルシャ世界へと続く食文化の流れも感じられます。ワシントンにいながら、シルクロードを旅しているような体験ができるのが、Lapisの魅力の一つです。