25 04 2020 chemoinformatics bioinformatics Tweet
在宅勤務+GWのコンボで暇なので駄文を書いてみることにしました。だらだらと調べ物をしてたり、文章の推敲をしていたらあっというまに3時間くらい消費してしまったので、もし役に立ったらこのあたりからパンダンリーフとかカラピンチャとか乾燥ポルチーニを送りつけてもらうと嬉しいです。
または代わりにビールでも注文してあげてください(たいてい、週末の帰りにここで一杯飲みながら今日のような内容を考えているのでお店に貢献したい)。
3L弱でこの値段はお得なのでGWの家飲みに注文かけておくと良いかと思います。https://t.co/M7fqIgLdHZ
— kzfm (@fmkz___) April 24, 2020
尚、このエントリはとりあえず製薬企業に入りたいとかいう修士向けの内容ではなくて、ジョブディスクリプション型の応募、つまり、製薬企業の研究開発職にポスドクから転身したいとか、他社へ転職したいとかいう人向けのハックだと思っています。
ざっくり言うとオープン・イノベーションのサイトを眺めて企業の内情を想像しようって話です。
企業のR&D報告書はチェックする
たいていの製薬企業が毎年報告するR&D報告書は押さえましょう。R&Dとして長期的に進みたい方向が示されているので、自分のやりたいことと企業の進む方向性にずれがないかはこのあたり読んでいるとわかります。ただし成果報告については現場のお化粧がマシマシされていたり、トップ層の夢がまぶされていることが多いので、額面通りに受け取るのは危険です。他社でも内情知ってると「うわー、そこ盛っちゃうか!」とか「あれ、その領域辞める方向で進んでるんじゃなかったっけ、とりあえずアピールだけかな?」とかわかるので、前職などのR&D報告はフィクションとして楽しめたりしますw
概ねR&Dトップの意思や目指す方向はその企業の進む方向なのでこれを理解しておくことは重要です。
オープン・イノベーションサイトの読み方、使い方
「製薬企業、オープン・イノベーション」で検索をかけるといくつか解説がヒットするのでまずは目を通しましょう
背景としては大体こんな感じで、外部との連携をスムースに行うためにオープン・イノベーション担当部署が設置されて、外部からの提案を広く受け付けるために公募サイトが設置されることになります。ただし公募サイトはなんでもうけつけるわけではなく、先ほどでたような企業の成長方向に沿ったもの(R&D報告書に記載している)になると思います。
このとき、R&Dの成長戦略に沿ってオープン・イノベーション担当部署が独立して動くようであればベンチャーキャピタル(VC)の様相を呈して、案件の評価もほぼ独立して担当することになるでしょう。つまりこのスライドの11枚目のベンチャー活用型オープン・イノベーションというやつです。この場合は外部の提案に対し、Go/No-goの判断をするだけなのであまり見るべきところはありませんが、単独で評価できる能力があるということは相当優秀な人材を集めたなぁとは思うのでVC的な仕事がしてみたければこういうところに潜り込むことを考えても良いかもしれません。
さて、先のスライドのもう一つのほう、産学連携型オープンイノベーションというのが今回のポイントとなります。
スライドでは
日本では創薬ベンチャーの育成が十分でなく、学の優れた成果を産に活かす産学連携が革新的な医薬品開発の推進に必須であると考える
と書いてありますが、要は産学共同で企業のニーズに合った技術革新を行ってお互いハッピーになりましょうということだと思います。この場合、ニーズは現場から吸い上げられオープン・イノベーション担当部署にてまとめられるので、そのリストは近視眼的で生々しい(具体的な)ものとなりがちです。つまり、現時点で現場が困っていて解決したい案件がニーズとしてあがりがちだということです。
重要な点は、ニーズ提案部署の能力の限界をそこから見積もることができるということです。もし、そのニーズがstate-of-the-art(SOTA)を超えたところにあり、自分のスキルやチャレンジの方向が一致していると、そういうところで働くとハッピーになれる可能性が高いでしょう。あとは募集が出てなくてもコネをたどるとなんとかなることもあるでしょう。(現場からすると協業でも人材獲得でもそんなに大差ないし、欲しいのはそういう技術をもった人材なので)
逆にSOTAに遠く及ばんだろみたいなウィッシュが上がっていたりすると、チームのレベルがそれほど高くない可能性があったり、AIが云々とかの抽象的すぎる大雑把なニーズだったりするとニーズ提案部署にプログラミングできる人がいないというオチがあるかもしれません(そういうところで活躍したいのか、高いレベルで切磋琢磨したいのかは人それぞれなのでそれの良し悪しを論じたいわけではないです)。
こんな感じで、ある程度感触を掴んでおけば学会でポスター発表している人とかに裏とりの質問したりできますし、コネクションも作りやすくなると思います。
ざっと国内の製薬会社のオープン・イノベーション公募サイトをリストアップしてみましたが、TaNeDS(タネデス)なんかはニーズ集約っぽいですね。
- オープンイノベーション|研究開発活動|武田薬品グローバルサイト
- パートナリングをお考えの皆様へ(アステラス)
- 大塚製薬のオープンイノベーション
- TaNeDS(タネデス)
- PRISM(大日本住友)
- オープンイノベーションの取り組み(KYOWAKIRIN)
- A-COMPASS(旭化成ファーマ)
- 共同研究(日本新薬)
- MOIRe(モアレ)
- 創薬研究パートナー募集(EAファーマ)
それではカラピンチャなどお待ちしています。