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15 02 2019 FMO Tweet

BXA(ゾフルーザ)低感受性の遺伝子変異I38TをFMOで評価した

面白そうなお題が与えられたのでやってみた。ちなみにすぐにFMO計算できる環境なので面白そうな複合体の情報があれば教えてください、計算して可能な範囲で公開します。

これFMO計算でどれくらい定量的に説明できますかね?@fmkz___ https://t.co/iMN2Kt1QHu

— torusengoku (@torusengoku) 2019年1月31日

計算方法

  • FMO-MP2/6-31G
  • リガンドは奥と手前のNC単結合で二分割
  • Mgは取り払って配位は考慮してない(そっち側のフラグメントは無視)
  • PDB-Code:6FS6/6FS7の比較だと余計なノイズが交じるので6FS6をI38TにしたものでPIEDAの差分をとった

結果

6FS6のPIEDA。グラフの見方は縦軸がエネルギーで安定な相互作用だと負にでます。EXは反発項なので常に制に出ます。横軸は残基で本来はN末から順番に並んでいますが、みやすさのために相互作用が5kcal/mol以上の相互作用のみ表示するようにしています。

見て分かる通りLYS034, ILE038との相互作用が強い。ILEとのDIがかなり強いことがわかる。8kcalあるし相当強いですね。 尚、EXちょっと強めに出てるのはエナジー最適化ちょっとまずってるのか、立体的に込み入った分子だから力場が良くなかったのかも。

PIEDA

で、これをI38Tにして差分を取ると38番目の残基のDIが2.5kcal/molくらい不安定になってEXが1kcal/molくらい安定化しました。それ以外の大きな差はみられなかった。今回EXに関しては大目に見るとして、経験的にはDI項結構効いてるんじゃないですかね?koff測定すればもっとはっきりしたこと言えるかなぁと思いました。

6FS6 IFIE

上のIFIEを実際にリガンド結合サイトで塗ったものです。青いところが安定な相互作用しているところで赤いと反発してます。

IFIE

6FS6 DI

DIだけの成分で塗り直したものです。ILEとこんなに強いDIで安定化してる例見たことないから結構感動した。粘着感がありますねw

DI

おまけ

DIで安定化していてSARと突き合わせて見られる例としてはFXaのS4ポケットがあります。FXaは複合体結晶構造もSARの論文もたくさん出ているので興味があれば調べてみるとよいと思います。

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