元出版社編集長による電子出版市場に対する懐疑的な意見の本。Kindle前に出版されたので読んでみた。
著者は電子出版が進展しない7つの理由を挙げている
- タイトルが少なすぎる
- タブレット端末の普及不足
- 著作権処理が複雑で手間がかかりすぎる
- 出版社側に著作隣接権がない
- 紙と電子で販売制度が違う
- フォーマット乱立
- 厳しいDRM規制
電子書籍は、現時点では紙より制作費(ほとんど人件費)がかかるらしい。
リフロー型電子書籍はテキストだけの読み物なら比較的簡単に制作できるが、実用書、学術書など、レイアウトや図版が複雑なものになればなるほど手間と時間がかかる
まぁ、でもいまの電子書籍の端末の解像度だとそんな複雑な図版にはできないんじゃないかなぁと思ったが、紙の図版を電子書籍化するのは面倒だろうな。
それから8章の課金モデルに対する取り組みと9章の著者の資本主義に対する考え方は読み甲斐があった。
個人的には、1,6の問題は時間が解決すると思うし、7に関しても音楽と一緒で棲み分けるだろう。2もiTunesと一緒で一度移行したら戻れない気がする(快適だし)。3,4,5の問題もユーザーにはあんまり関係ないし、できるところから進んでいくんじゃないかなぁ。本は言語の問題があるから難しいのかもしれないけど、英語の書籍はもうepub,mobi以外は買わないと思う。