生き方指南系で有名な勝間和代さんの本だが、本書は純粋に決算書の読み方に閑する本でしかも面白い。 本書を読み終わった時に、丁度自分の会社の決算短信が出てたのでニヤニヤしながら読んでしまった。
100円台で手に入る本なので買いだと思いますよ。
科学論文の実験データもそうだけど、自分で数字をいじれる裁量の余地がある部分はある程度決まっていて、そこに無理のある解釈を入れると他が必ず歪みます。決算報告書なんかの会計も一緒だそうで、どこの数字をどういじるとどこに歪みが生じるかっていうことが丁寧に書かれていて、分析が好きな人にとっては本書を読むことで数字パズルという新たな玩具が手に入ります。
営業なんかから情報を仕入れていれば、自社の内情を知っていると思うので決算報告書が超楽しめるようになります。それだけでも読む価値アリですね。
尚、前提知識として簿記三級くらいは必要かもしれませんが。
- 貸借対照表はあくまでも「会社が買った時にその資産がいくらだったのか」ということを主に示すもの
- キャッシュフロー計算書は、期初の現金と期末の現金の差が何故生じたのかを説明してくれるもの
- 本当に成長している会社は利益だけでなくキャッシュも伸びていて、効率良く資産を使っている
- のれん代の償却期間で守備的か攻撃的か判断できる
- 通常は売上高の伸びよりも、営業利益や経常利益の伸びのほうが大きくなる
- 費用候補は貸借対照表の資産の部に計上される
- 棚卸資産を増やせば売上原価は下がる
- 社債を発行してたら財務諸表を細かくみたほうがいい
- アナリストのレポートはそもそも買いへのバイアスがかかっている