7章が良い。体裁としては7章を説明するために6章まで割いて基本的なことから説明してるんだけど、結局7章の内容を少し読み進めては1-6章のどこかを読みなおすという、ちょっと読んでは復習と理解の確認のために前の章を探すというスタイルになってしまうので、これは非常に手間だ。
あとそういう読み方を想定している割には目次が貧弱な気がした。校正もうちょっと丁寧に入っていれば必読書なんだろうけど。
で、7章を丁寧に読めばある薬剤が、肝固有クリアランス律速で消失するのか、血流律速で消失するのか、薬物間相互作用を受けやすいのか、吸収の良し悪し、蓄積の懸念あたりに関して大雑把な手がかりを得られるようになる。
自分のフィールドはコンピュテーショナルケミストリー、ケモインフォマティクス、バイオインフォマティクスだけど、構造最適化プロジェクトに関わっていると、DMPKのデータを解釈して理想とするプロファイルとの不一致はどこから来ていて、それを解消するためには合成的にどういう方向に向かえばいいのかというあたりに深く関わらないといけない。QSPRとか言って物性があーだこうだとパラメータこねくり回すだけじゃなくて、もっとin vivoとin vitroの関係を捕まえたうえでQSPRとして合成方針にフィードバックしたいなぁと思っている。
そういうヒトも読んでおいて損はない。7章の最後に書いてありますが、非臨床だったらパラメータをモデル動物のそれに置き換えればどうように議論できるので。
- AUC = A/α + B/β
- fb増加するとKpも増大
- 経口クリアランスとその理解