ハイパー消費経済からコラボ消費へ。読んだ後に、「あーなんか社会に対する認識が変わったかな?」と思える本。オススメ。
なんというか、Freeのような装丁だが、中身は全然違うような気が。あっちは、ビジネスモデルっぽい話だけど、こちらは社会基盤というかこれからどういう社会を目指すかの一つの方向性を提示しているのかな。海外事例を例に出して、コラボ消費というものはどういうものかということを分かりやすく説明している(ちょっとくどい文章だけど)。
シェアというのは、IT(この場合はICTのほうが適切か)により、取引コストが大幅に下がったことを背景に見直されているのかなぁと思う。あとは、現行の消費型の経済モデルも難しい局面に来ているってのも背景にあるんだろう。というわけで、日本でも今後活発になっていくのかなぁ。
初版はトラッキング用のIDが帯に付いていて「シェア」をシェアできるようになっているのも面白い。
あとになってこの時代を振り返れば、人間の基本的な欲求を満たすようなサステイナブルなシステムを、一足飛びに再構築した時代だったと思うに違いない
- 空間やモノであれ、技術やサービスであれ、何かを取引するなら、その手段としてP2Pがデフォルトになるだろう
- 経済学の根本は市場に関することではなく、資源配分の問題
- クレジットカードが、脳を支払いの苦痛に対して麻痺させる
- 経済繁栄の鍵は、不満を組織的に創造することだ。もしも、だれもが満たされれば、新製品を買う人はいなくなる
- お金で買えるものを手当たり次第溜め込むことイコール幸福だという考えがハイパー消費の原因
- モノそれ自体よりも、それによって満たされるニーズや経験を求めている
- アリストテレスの「概して、持つことより使うことに、はるかに大きな豊かさがある」
- プロダクトサービスシステム(PSS)は活用型と寿命延長型
- PSSが人々の所有に対する概念を根本から変えると、消費財メーカーは困る
- 取引コスト
- ソーシャルネットワークでは助け合いが間接的に行われる
- サルとキュウリの話
- お金は「単なる媒体で、欲しいものを得るためのてっとり早い手段」ともみなせる
- それよりも良い手段があれば、別にお金を介在させなくても構わないってことか
- ブランドじゃなくて、自分たちがどんな行動をとるかや何を選択するか、自分の価値観や信条、そして自己表現が、僕らがどういう人間であるかを決める
- ゆりかごからゆりかごへ
- 自己利益とみんなの利益は必ずしも対立するものではない
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