今の枠組みの中で考えたらそうなんだろうなぁ、となかなか面白く読めた。レビューにもあるようにそもそも人事制度がダメだから企業文化がダメという話はなかったのが気になったけど。
会社という入れ物に労働力を当てはめるという立場に立てば筆者の言うとおりなんだろうけど、個人のスキルを持ち寄って集まったものが会社という形態をとると考えれば主張はあちこち崩んじゃないのかなぁと思ったということです。著者が言うとおり、OJTとか会社が育てるという体力なんてなくなってきてるので、結局のところ社会全体が後者のほうに向かっていると思うんだよなぁ。その状況で今までの会社形態の中でどうにかしようというあたりに違和感を感じるけど。さらに、そのような状況で人事部に求められるものとかは著者の書いてるようなものとは違うと思うし、そもそも人事部ってそんなに重要な部署か?と。
すくなくともうちの人事部は (略)
- 企業側としては、新卒採用した人材に関しては、数年間は「育てる意識」を持っているものですが、中途採用した人材に対しては「成果をだせるかどうか」という物差しで測る
- 確かにそうだが、そう簡単に辞めさせることができないので、新卒も中途もそんな変わらない。中途だと、すぐに組合の役員をやるという裏技もあるし(能力なくても大丈夫)。
- 「3年だけ使えればいい」という現実的な発想をもつ企業が増えている
- 採用も競争の厳しい「ビジネス」
- 向上心の強い社員を飽きさせない
- 会社は社長以上の人材を採用できない
- 研究所は研究所長以上の人材を採用できないとも言い換えられる
- そもそも上司というものは部下や顧客の見方が一番ただしい
- 「これから新たな会社で頑張ろう」と力を発揮できるのは、過去にも頑張ってきたひとだけ
- 一つの企業に長く勤めていれば「賃金が上がり続ける」という仕組みはどこかで限界に達するのは自明
- 私たちの賃金低下は、対ドルレートの給与を踏まえ世界ベースで見たときに、労働の付加価値とマッチする段階まで進行していく
- これからは「資格」「ノウハウ」「経験」はあまり重要ではなくなる