手放しで大絶賛する内容かと言われると疑問符が付くが、第三部の内容が言語化されていることが素晴らしい。第一部と第二部は今時の常識で、それを知らないヒトのために丁寧にベージを割いているといった感じ。でも、ラテラルシンキングは改めて読むといいことがたくさん書いてある。
特に
想像力だけで勝負できる場所などどこにも存在しないのであって、地道に積み上げたスキルの上に、そのスキルの文脈の範囲内においてのみ花咲くのが価値ある創造性
は、僕が普段「下からは見下ろせないよ」と表現するような感覚、つまりサイエンティフィックにより高いとこに登ってみて初めて見えてくる創造性の世界を言い表していて気に入った。結局、自分の能力の範囲を超えたセレンディピティなんか存在しないし、してはいけない(と強く思う)。
三部は、これからの思考というタイトルに関することなので垂直、水平思考を知っているヒトが読めばかなり面白いと思う。ただ、学びの場を企業内においているけど、実際は企業内で学ぶことよりも、それを離れた場所での学びの比重が増えてるからそういった部分は何かで補う必要があるかもしれない。
例えば、「ウェブで学ぶ」とか。
垂直思考
- 事実、理由、提案以外の要素はビジネスの場において相手の理解を妨げるノイズ
- ロジカルシンキングは武器であり、防具でもある
- 念みたいなもの(バトルの基本)
- 問題の発見は、問題解決にとって最も難しいステップ
- 何がわからないかがわからないという状態を抜けるための力
水平思考
- ラテラルシンキングは、直接対決を避けて競争相手を出し抜くための思考法
- アブダクションこそ科学の諸概念や理論を生み出す唯一の論理操作
- アブダクション
- 驚くべき事実を見つけるための十分な知識
- 説明仮設を立てる時のヒラメキ
- シネティクス法
- TRIZ
- マンダラート
- SCAMPER法
- 意識的か否かにかかわらず、この世界には、それを求めている人にしか見えないことがたくさんある
- 想像力だけで勝負できる場所などどこにも存在しないのであって、地道に積み上げたスキルの上に、そのスキルの文脈の範囲内においてのみ花咲くのが価値ある創造性
インテグレーティブシンキング
- 洗い出された複数のアクションの「腹の底」に定着させて、それらの相反するアクションの良さを失わないままに、「融合」するような新たな解を産み出そうとする知的ステップ
- 学びのプロセスは現実には自己完結的ではなくて、むしろ組織における複雑なインテグレーションによって回転している
- 五感とは、実は人間が勝手に分けて考えているもので、本来これらは相互作用しながら一人の人間として統合されている