15 03 2006 Tweet
昨日の大阪出張帰りに買って、そのまま読破。
いっつも、梅田 望夫さんのblog見てたから新鮮な部分はあんまなかったけど、自分の中で色々整理するいい機会にはなった。
製薬系もオープンソースな影響はもろに受けてるし、そういう流れを歓迎する向きもあるヨ。僕もweb2.0な風をふきこんじゃるみたいないきおいで、pubmed用del.icio.usクローン(通称publ.icio.us)を作って、啓蒙中だったりするけど、みんなの知を束ねる必要のあるところは多かれ少なかれ影響を受けているんじゃないかと思うよ。
で、製薬系の中の人として僕がうっかり感じたことを書きなぐり。
- ケモインフォって便利な言葉だ
特にバイオインフォがオープンソースよりで、従来あったコンピューターケミストリーがケモインフォとか呼ばれることで、オープンソースに引っ張られやすくなっている気がする。で、化合物をいじるためのツールはdaylightとか買わないといけなかったのがPerlMolとかChemrubyとか色々面白いツールは増えてきてるのでいい感じ。特にオープンなケミカルデータは結構増えたので、家で色々試すのに困らなくなった。のと、チープ革命みたいなのはものすごくあって、ケミカルDBのデファクトとして君臨してたあそこが、読み違えたっぽいあたりが印象的。あとは企業が金をつぎ込むのが知をどうするかみたいなツールにシフトしてるかなぁという感じ。
- ケモインフォとかバイオインフォとかどこで学べばいいの?
なんて聞かれて返答に困ることが多くなった。仕事を通して覚えたいんですとか言われても、、、、みたいな。基本的な事柄はいくらでも学ぶ機会は用意されているしな。アッセイキットとか試薬とかが必要ないぶん、インフォマティクスに限らず、量子化学計算とか統計とかの習得のための障壁は恐ろしく低くなっているような気がする。結局やる気だけなのかも。
教えなきゃわからんやつは教えてもわからん
という状況が真なのかどうなのかはわからないけど、学習するために必要な情報を自分でうまく探し当てることの出来る能力が要求されることはものすごく増えた気がするヨ。
OJTの希薄化なのか、OJTで伝えることそれ自体の陳腐化なのかわからんが、高速道路論を肌身で感じ取れるかどうかはものすごく大きい気はするヨなぁ。
僕も職場は実践オンリーです。現実の問題を解析したりとか議論したりとか。だから、ほとんどコードは書かないヨ。コードは家で書いて、職場では家のsubversionからcoしたのを走らすだけになりつつある。論文も直で仕事と関係あるようなのは職場で読むけど、技術それ自体を指向するようなものは、家で読むことが多い。そういうものに限ってopen accessだったりするし。
うわ、すんげー面白いとかめっちゃクールやんけみたいな新鮮な感覚は、職場からは得られなくなったなぁと思う今日この頃でした。
でも、僕は、最初から意識が高い集団が勝ち逃げできるような未来は描いてなくて、(レガシーな考えの人はある程度淘汰されるにしても、)結局はみんなの意識はweb2.0チックにゆっくりとシフトはするんじゃないかナァと思うんだよね。
取り残されるというよりは、気づかぬうちに引っ張りあげられている
みたいな。というより、そういう貢献をしてみたいなぁというささやかな願望(というか趣味)。